猫と国試とLyon現象

2015/11/15

渡です。

「オトナ女子」っていうドラマを観たんですが
篠原涼子さん演じる主人公の飼っている猫が
衝撃的に可愛くて唐突に猫ブーム到来ですkao22
調べたら「エキゾチックショートヘア」という
種類の猫らしいのですが…
なんというか、ブサ可愛い(笑)
いいなーあの猫欲しい。猫飼いたい。
家族いないし外出多いし賃貸だから無理だけど…。。

さて、今回は猫と国試を繋げるこの問題。

108E-26
Mendel遺伝様式に従う母斑症で、
男児は胎児期に死亡するが、女児では
Lyon現象のため、健常部と病変部が混在する
mosaicを呈する遺伝形式はどれか。

a 常染色体優性遺伝
b 常染色体劣性遺伝
c X連鎖優性遺伝
d X連鎖劣性遺伝
e Y連鎖遺伝

色素失調症のことを言っているのでしょう。
cが正解ですが、この問題と猫に何の関係が?
というと「Lyon現象」。
猫の毛の色はこのLyon現象が関わっているのです!

Lyon現象とはX染色体が2本ある個体
(平たく言えば女性)において
片方の染色体が不活化される現象のことです。

三毛猫のオスは極めて稀であるという事実は
比較的有名かと思いますが、
猫の毛色は常染色体上にある白にする遺伝子と、
X染色体上にある茶(O遺伝子、優性)or黒
(o遺伝子、劣性)にする遺伝子によって決まります。

オス猫の場合、X染色体が1本しかなく、
全ての細胞にあるX染色体は同じX染色体ですから、
茶色なら茶色、黒なら黒。常染色体上にある
白にする遺伝子を含めても最大2色です。

しかしメス猫の場合、X染色体が2本ありますから
茶にする遺伝子と黒にする遺伝子の
ヘテロ接合体(Oo)というケースがあり得ます。
Lyon現象は細胞ごとにランダムに
不活化が起こるため、茶色遺伝子のある方が
不活化された部分は黒、
黒遺伝子のある方が不活化された部分は茶色、
そして常染色体上にある白にする遺伝子があれば3色。
晴れて三毛猫になるということですね。

オス猫の場合、クラインフェルター症候群であれば
2本のX染色体を持つため同様の現象が起こり得ます。
なのでオスの三毛猫はいないわけじゃないけど
極めて稀であるということですね!!

遺伝学は低学年で習うのでつい忘れてしまいがちですが、
かなり最近の国試でもLyon現象なんていう言葉が
出てきているので注意したいですねte03