勉強会記録~好酸球性副鼻腔炎について~

2017/01/12

昨日の夜は医師会の勉強会でした。
テーマは「好酸球性副鼻腔炎」
ちょうど勉強したいな~と思っていたテーマなので、仕事帰りに横浜まで行ってきました。

今回は自分用のメモみたいになるかもしれませんが。
専門の先生の貴重なお話が聞けたので、皆さんにもおすそ分けです。

まず。慢性副鼻腔炎とは3か月以上鼻漏、鼻閉などの副鼻腔炎症状が続くもの。
(急性副鼻腔炎は1か月以内に症状が軽快するもの。
小児科の先生が言ってたけど小児の急性副鼻腔炎はcommon disease。
急性副鼻腔炎は基本細菌感染なのでペニシリンかセフェムで治せます。)

慢性副鼻腔炎も多くは細菌感染の反復がベースにあると考えて良い。
でもアレルギー性の例や、両方合併している例もあって厳密には分からないことが多い。
特に難治性の慢性副鼻腔炎と言えば「好酸球性副鼻腔炎」が話題。
好酸球性副鼻腔炎は鼻茸がとにかく出来やすい。ステロイドが効くけど再発を繰り返す。
この再発を繰り返すってところが診断にすごく大事で、
耳鼻科の先生的には再発したら好酸球性副鼻腔炎かも、と考えるらしいです。
あと知らなかったけど、普通の副鼻腔炎は上顎洞に起こりやすいのに対し
好酸球性副鼻腔炎は篩骨洞が初発であることが多いんだって~。

で、私達が勉強してて一番引っ掛かるのって
結局好酸球性副鼻腔炎ってアレルギーなの?ってところだと思います。
これははっきり昨日勉強してきましたが、「よくわからない」というのが真相のようです。
好酸球の浸潤があるし、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を合併しやすいので
I型アレルギーっぽく思えるけど、はっきりI型アレルギーと言える根拠はないので、
I型アレルギーとは扱わず、あくまで「病態不明」が正しいです。
まあ言われてみれば呼吸器で習う好酸球性肺炎も別にI型アレルギーじゃないので、
そもそも「好酸球が増えている=I型アレルギー」って思っちゃうのが良くないのかなと思いました。
ちなみに、アスピリン喘息を合併しやすい理由についても「不明」だそうです。
(好酸球性副鼻腔炎は通常の気管支喘息もアスピリン喘息も合併しやすいです)

…以上!(笑)
まあ結局不明じゃん、ということなのですが。
でも、自分が分からない理由が「単に自分が分かっていないだけ」なのか、
「そもそも専門家でも分かっていないレベルのことなのか」をはっきりさせるのって本当に大事。
今回はとりあえず後者であるということが分かったので、専門家の話を聞いてきて本当に良かったです。

いつになく勉強の話題しかない記事でしたが今回はここまで!
慢性副鼻腔炎はガイドライン掲載されているので、好酸球性副鼻腔炎も111回!出ても不思議はないですね。
111回国試攻略記事はこちらからどうぞ