【沖縄】沖縄協同病院 1年目 久場 弘子医師

2015/12/11

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院独自の電子カルテからも
研修医へフィードバック

5年時の実習で仲良くなった同級生が沖縄協同病院を第一希望にしていて、私も一緒に頑張りたいと思ったのが、入職したいと思った最初のきっかけです。見学時に、当院で出産された後期研修医の先生から「院内保育所など子育てする環境が充実している」と伺い、女性が働きやすい職場だと感じたことも理由の一つでした。
研修では、まずは電子カルテの使い方を習いましたが、実は当院のカルテは産婦人科の先生が作られた当院独自のものです。スタッフ目線で作られているので使いやすく、研修医も重宝しています。例えば、「研修医フィードバックボタン」を使えば、当直で診た患者さんのカルテを上級医の先生にチェックしていただける機能もあります。自分の診察に対する評価を素早く知ることができ、ありがたいです。

問診や手技を通して
臨床力を日々アップ

現在は呼吸器内科をまわっていて、担当医として患者さんに関われるのがとても勉強になっています。指導医の先生から割り当てられる珍しい症例や新規入院の患者さんなどを担当し、毎日ベッドサイドに行って話しながら患者さんと仲良くなれるのが嬉しいです。先日、レジオネラ肺炎の患者さんを診た際に、温泉入浴の有無を聞きました。患者さんは否定されましたが、奥様から「1週間前に社員旅行で温泉に行きました」との返事が。その方は「定期的に温泉へ行っているかどうか」という質問だと誤解されたようで、自分の聞き方について学ぶ機会をいただくことができました。
手技のデビューは7月に外科で実施したCVで、その後は消化器内科で大腸内視鏡のサポートや麻酔科の挿管・術中管理などを経験しました。先生からは、「事前のイメージトレーニングが大事」と言われ、復習も含めて丁寧に教えてくださいます。ベッドサイドで患者さんに向き合うとともに、手技にも早くから携わることができ、実践重視の研修ができていることを実感しています

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段階的に当直に入ることで
不安を除きつつ経験が積める
1年目の当直は8月まで2人一組で見学・体験を行い、9月からは3人一組でスタートします。そして11月から研修医のペアで入ります。当院の当直はステップを踏んでいくので、不安を徐々に取り除きながら経験を積むことができます。最近遭遇した症例は、沖縄在住のインド人が腹痛を訴えて来院したケースです。問診でポイントを絞り込む自信がなかったため、生活歴をはじめ全ての項目を細かくヒアリングしました。診断は胆嚢炎ですぐにオペになったのですが、その方が退院後に外来から私を呼んでくださいました。
その方の元へ伺うと、満面の笑みで「サンキュー!」と握手をしてくださいました(笑)。「こんなに話を聞いてくれた医師は初めてだ!」と喜んでくださったのです。細かく質問したことが安心につながったようで、患者さんが何を求めているのか少し分かったような気がしました。

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研修医の声を活かし、

成長させてくれる環境

当院では、研修医の意見や要望を「研修医会」で発表すると、研修委員長を介して指導医会に届く仕組みがあります。一例を挙げると、今年は3人一組の当直体制を“早い時期から2人一組に変えてもらいたい”という希望をプログラムに反映していただきました。
また、各科研修の最後に、印象に残ったことや改善点などの要望を出し、指導医やコメディカルスタッフから私自身の評価をしていただく、振り返りの機会があります。私は看護師さんに質問をし過ぎて、「もう少し自分で考えるよう頑張りましょうね」というコメントもいただきました(苦笑)。当院は研修医の意見をしっかりと聞いてくれ、その一方で直すべきポイントを的確に指摘した上で成長を促してくれる環境だと感じています。

 

 

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多彩な勉強会で
継続的にスキルアップ

毎週月・火・水の3日間、朝7時半から研修医と指導医の勉強会を行っています。特定の疾患などに関する本をみんなで読み合わせ、質問やディスカッションをして知識を深めていきます。毎週火曜は研修医と内科の先生でランチョンセミナーが、また金曜には、当直や研修の振り返りを行うフィードバック研修が行われています。基礎講義などの研修も随時入るので、学びのボリュームはかなり多いと思います。
指導医の先生方は、対処法を教えてくださるだけではなく、研修医の意見や感じたことへの問いかけをしながら答えを求め、課題があればそれを共有した上で解決方法を一緒に考えてくださいます。ネガティブフィードバックも自然に入って来て、次に活かそうという前向きな気持ちにさせてもらえます。

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オール沖縄で研修医を育てる
「群星(むりぶし)沖縄プロジェクト」

沖縄には市中病院による臨床研修病院群プロジェクト「群星沖縄」があり、当院はその中の基幹病院の一つとなっています。8つの基幹型病院が連携して研修の質を高める取り組みで、20の協力型病院と一緒に情報交換・人材交流などを行い、多彩な経験の中で研修医が成長できる機会が設けられています。各病院の研修医が集う合同研修へ参加することで、他の病院の研修医が学んでいる内容について情報交換できますし、研修における自分の立ち位置を知ることができるのは良い刺激につながります。多彩な領域で臨床教育セミナーが開催されており、貴重な勉強の機会が得られます。
さらに、プロジェクトリーダーでもある、全国的にも著名な宮城征四郎先生(元沖縄県立中部病院院長)による月2回の教育回診が受けられることも魅力的です。身体所見や検査データから宮城先生独自の視点で問題点を指摘され、とても勉強になります。
群星沖縄プロジェクトによって、自分の研修病院で学んだ知識や得られた経験・手技に加え、他の病院でのやり方や多くの先生の視点などについて知ることができ、考え方の幅やネットワークを広げられたりできるのは、大きなメリットと言えます。

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やっぱり沖縄の海は日本一。

ぜひ、この美しさを見に来てください!

 

――久場先生の故郷である沖縄の一番の自慢は何でしょうか。

久場医師:やっぱり「海」ですね。海の美しさは間違いなく日本一でしょう。マリンスポーツを楽しむ人も多いですが、私にとって沖縄の海のイメージは「素潜り」です。みんな小さなときから素潜りをし始め、ときには普段着のまま海に入ったりしていました(笑)。
そういう意味では、私たちがマリンスポーツを楽しんだり、バカンス気分になれるのは沖縄の離島です。離島ではさらに海の透明度が上がるので、たまに旅行感覚で渡って海を堪能しています。

 

――貴院の雰囲気を教えてください。

久場医師:人間関係が密で、コミュニケーションが活発です。今まわっていない他科の先生も何でも優しく教えてくださるので、分からないことは質問もしやすく、とても働きやすいです。この前、他の病院から来た看護師さんと話をしていると、「この病院のスタッフの人はみんな優しいね。困った顔をしていれば、『どうしたの?』って誰かが声をかけてくれるんですよ」と言っていました。私もまったく同感ですね。

 

――忙しい毎日を過ごされていることと思いますが、休みの日は何をしていますか。

久場医師:自宅で寝ているか、美味しいものを食べに行くか、実家の犬と遊んでいます。沖縄は車社会なので通勤時の渋滞を心配して、病院に近いところで一人人暮らしを始めたのですが、いつも渋滞にならないような早い時間帯の出勤でした(笑)。
普段の一番のリフレッシュ法は、同期の女子たち2人としゃべることです。一緒にご飯に行って情報交換をしたり…。同期のうち1人は沖縄出身で、もう1人は他県ですが病院見学で知り合ってから仲良くなり、一緒にシュノーケルに行ったりしてよく遊んでいます。

 

――今後の目標を教えてください。

久場医師:シンプルですが、「思いやりのある医師」になることです。自然にそう思えるのはもちろん大事なのですが、意識してそうした気持ちをもつことも必要だと研修を経験する中で感じています。患者さんの気持ちに思いをはせながら、常に思いやりの気持ちを忘れないようにしたいと思っています。周りの方からの意見やアドバイスにしっかりと耳を傾けて、患者さんにとって一番いい医療や、元気の素になるメンタルな要素を提供できる医師になりたいです。

(2015年12月掲載)