【岡山】水島協同病院 2年目沼本 諒医師×2年目岡田 貴行医師

2017/11/27

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「プライマリ・ケア医Plus自分の専門をつくる」をテーマに、各科ローテートと並行して行う研修を多数設けている水島協同病院。初期研修2年目の2名にプログラムの感想をズバリうかがいました。


早期の在宅医療、内科外来研修で
診断能力が格段にアップ

―― 2年目の全員が内科研修から1年目をスタートされていますね。

岡田医師:病院のシステムに慣れて、メディカルスタッフと仲良くなることに重点を置いているのだと思います。

沼本医師:一緒に入職した全員でオリエンテーションをし、各職場へ行って職種体験もしました。ちょっと時間をかけ過ぎという気がしましたが、各部署に顔見知りができたことで、その後の研修がしやすくなりました。

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岡田医師:時間のかけ過ぎは同感です。水島協同病院には意見を言える雰囲気があるので、改善の余地ありと伝えています。その後、内科研修と並行して、6~8月に2週間に1回、午後半日の在宅医療研修が始まりました。

沼本医師:近くの診療所の医師と看護師、研修医で患者さん宅へ行き、最初は見学から、最後は患者さんの許可を得て、上級医は同行せずに、研修医が3~4名の診察を担当しました。毎年夏になると脱水症状で入院される方がおり、私も担当したのですが、その経験もあって往診に行った時に居住環境の悪さに気付き、経済状況も確認しながらエアコンを設置することとなりました。

岡田医師:私は往診で気管カニューレの交換をしたことがありました。結局、その方はご自宅でお亡くなりになられたのですが、往診の大切さを感じつつ、「もっとできることはなかったか?」とも考えさせられました。早期にこうした経験ができたのが良かったです。

沼本医師:確かに。疾患の勉強が面白くなって深く入り込む前に、患者さんの生活環境や背景を見ることで、それを念頭に置いた病棟での対応を考えるようになりました。高齢化が進む中で重要な視点だと感じています。今後、いろいろな場面で、「人を診る」という経験を思い出し、活かせるように思います。

岡田医師:9月からは週1回、9~10時半まで外来の一室で、同じく患者さんに「研修医が診るけれどもいいですか?」という許可を取った上で、内科外来研修が始まりました。外来診察で研修医がメインで対応し、指導医は後ろで見ながら、適宜アドバイスしてくれます。2年目になると、困った場合は別室にいる指導医に電話をかけて相談という段階を踏みます。その場でフィードバックがもらえるので、次回までの課題が明確になります。

沼本医師続けることで問診力がつきますし、救急外来とは違ったマネジメント力が身につきます。ここまでみっちり外来研修をさせるところはあまりないと思いますし、3年目へのアドバンテージができたと思います。

岡田医師:10月からは週1回、9~10時半または、16~17時半の小児科外来研修が始まりました。ブロックで1~2カ月小児科研修をしても、例えばスポットで冬だけ行うと、インフルエンザなどの流行り病しか診られないため、1年間は無理でも9カ月くらい続けるというのが病院の方針のようです。プライマリ・ケア医をつくるというコンセプト通りの研修で、これも他院では聞かないのでうちの優位性かなと思います。

沼本医師:アトピーや喘息の子どもが多く、何年もかけて長く、諦めずに診ることが大切なのだと実感しました。

岡田医師:小児科外来は見学中心で、合間に説明が入るくらいですが、内科外来研修と並行して行うことで、小児科で学んだ上級医の雰囲気や声かけ、所作を内科で実践できます。上級医のようにはうまくできませんが、毎回気づきがあるので、場数を踏んだら自信がつきました。

―― 毎日の業務に変化があってやりがいがあるのではないですか?

沼本医師:技師さんからのエコー研修も週1回でした。前の週にやったことを忘れていたので、こちらは毎日連続で研修ができたらよかったのになぁと思います。

岡田医師:エコーに関しても今、意見として出しています。

高レベルな勉強会で
確実な2次救急対応能力を養う

―― 小児科は、外来研修の他にランチョンセミナーもあるのですね。

岡田医師:参加者は基本研修医全員と手があいている先生です。小児科の先生がつくってくださった救急で多い症例のスライドを見ながら、鑑別、検査、対処法をゲーム感覚で、楽しく当てていきます。

沼本医師:救急での喘息のお子さんの酸素吸入に役立ちました。

―― 毎月第3水曜日には、倉敷中央病院総合診療科の國永直樹先生が講師の「水島地域救急総合診療勉強会」が開催されていると聞きました。

岡田医師:院内だけでなく、院外の医師も多数参加されます。変な回答ができない気がして少し緊張しますが、毎月楽しみです。

沼本医師:3次救急の施設や機器の違いを知ることも重要で、水島協同病院のように2次救急でどう応急処置をすべきか、どういう場合に倉敷中央病院に相談すればよいかが理解できるので救急の対応能力も向上すると思います。

岡田医師:例えば敗血症ですが、敗血症という言葉に慣れてしまっている部分があり、対応が素早くできなかったケースがありました。敗血症にも重篤なケースが紛れており、その後のショックに至る兆候を素早くとらえて、挿管や昇圧剤投与などの呼吸循環管理を早期に行わなければならないということを改めて学ばされました。送った患者さんに、どう対応してくれたのかを聞くことも勉強になります。

沼本医師:倉敷中央病院では、エコーで腹部や胸部だけではなく、眼底も見るそうです。目の奥を見ることで頭の中の出血が分かるケースもあると聞き、びっくりしました。

岡田医師:すごい方にお会いすると、毎回モチベーションが上がります。「どうしても手に負えない患者さんは他の病院に送るけれども、まだできることがあるなら頑張ろう!」という気持ちにもなりました。

沼本医師:『「型」が身につくカルテの書き方』の著者の勤医協札幌病院の佐藤健太先生も北海道から講演に来てくれました。

岡田医師:生意気ですが、うちの研修はまだまだ良くなる素地があると思います。刺激になる外部の先生を呼んで欲しいと指導医に相談したところ同じ考えだったので、この要望もすぐに実現しました。12月にも外部講師招聘講演を予定しています。水島協同病院では、研修医が要望を言える自由さもあります。

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年2回の研修医評価で
自分を見つめ直し、成長する

―― 年2回、他業種による研修医評価があるそうですが、これに対する先生たちの感想は?

沼本医師:看護師さんに、「採血のオーダーを出すならパソコン上だけではなく、言葉でも伝えてください」と書かれました。

岡田医師:僕も、しっかり患者さんを診ているつもりだったのに、ベテラン看護師さんから「もっと寄り添って欲しい」という意見がありました。この時期、慣れてきたことで連携が雑になっているのかもしれないので、指導医とは違う視点の意見は勉強になります。

沼本医師:調子に乗りがちなところを直してくれるんです。

岡田医師:メディカルスタッフの人たちも研修医一人ひとりのことをよく見ていて、育てようとしてくれているからこその意見だと思います。

患者さんから信頼される
オールマイティな医師へ

―― 進路は何科をお考えですか?

岡田医師:僕は外科志望ですが、どの外科かがまだ絞り切れずにいるので、3年目も水島協同病院にお世話になりそうです。ただ何科に進むにしても、プライマリ・ケアは大事なので、ここで研修ができて良かったです。

沼本医師僕も外科志望で、当初はスペシャリスト的な外科を考えていました。けれども、疾患だけでなく、患者さん全体を診る研修をしていく中で少し変化がありました。患者さんが信者のように信頼を寄せる内科の里見院長や一般外科の山本先生を見ていたら、オールマイティに患者さんを診られる一般外科医になりたいと思い始めました。

岡田医師:患者さんたちから信頼される先生たちには、確かに魅力があります。ただ、雰囲気なのか、日常の言動なのか、オーラなのか、何が患者さんの心を惹きつけるのかがまだわからないので、診療スキルとともに近くで学びたいと思っています。

沼本医師垣根のない医局で、僕も学びます。

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オフタイムは水島&倉敷の町を満喫
見学に来た学生さんをおいしい店にお連れします!

―― 日本有数の観光地の倉敷が近いですが、先生たちはオフタイムを倉敷で過ごされることもあるのですか?

沼本医師:病院の人たちと飲みに行くときは病院周辺か倉敷美観地区ですね。どちらへも行きます。

岡田医師:水島にはおいしい焼肉屋が多いよね。水島にも倉敷中心部にも良さがありますが、僕は仕事は水島、プライベートは倉敷と使い分けています。美観地区(町並み保存地区)には、おしゃれなカフェやバー、イタリアン、定食屋などがたくさんありますし、倉敷駅直結のショッピングセンターへ行けば買い物もできます。

沼本医師:僕は、平日は食事以外に、テニスに行く日もありますが、かなりインドア派なので、休日は家にいることが多いですね。

―― テニスは誰とされているのですか?

沼本医師:岡田先生や他の研修医、メディカルスタッフ、事務スタッフなどがメンバーで、平日の夜に月数回やっています。土・日は、それぞれプライベートデイです。

―― 研修病院を探している医学生にメッセージはありますか?

沼本医師:独自のプログラムが多いので、入職する・しないに関わらず一度見学に来て、こういう病院もあることを知っていただきたいですね。

岡田医師:見学に来た学生さんは、水島でも倉敷のおしゃれな店でも、ご飯に連れていきますよ!

沼本医師:飲み放題、食べ放題です(笑)。

(2017年10月掲載)