【宮城】大崎市民病院 1年目 牛奥 麻緒医師

2017/11/27

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症例会に合わせて
研修医同士で勉強会
プレゼン力が磨ける好環境

宮城県にある市中の研修病院の中で、研修医の定員数が19名と最も多いのが大崎市民病院です。多くの科はローテートが終わった段階で、研修医が症例発表を行うことになっているのですが、発表の準備を兼ねた勉強会を自分たちで行うなど、研修医が主体となって学べる機会が数多く設けられています。研修医が多いことで、それぞれの視点から捉えた多様な問題提起が得られるのは勉強になりますね。
私が初めて行った症例発表は、神経内科での「ギランバレー症候群の亜型」についてでした。発表時間は5分と短いため、伝わりやすいようにどうまとめるかに最も腐心しました。
短く端的にポイントを押さえなければ、指導医の先生から「長い!」「まどろっこしい!」とダメ出しが入ります。こうした症例発表を重ねることで、聴き手に内容を伝えるための必要な情報を、どうチョイスして構成すべきかが分かり、プレゼン力は間違いなくついていきます。それと、もちろん度胸も(笑)。
今後、内科学会の地方会をはじめ、さらに大きな学会で発表する機会も出てきますから、少しでも発表に慣れておくことは大切です。9月には同期の1人が早くも地方会での症例発表に立ちました。私も負けないよう今から場数を踏んでいきたいと思いますね。

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救急科病棟の存在が
「鑑別力」を大きく育む

当直研修は1年目の5月からスタート。救急科当直は、2年目2名と1年目2名の研修医4名に、救急科上級医の先生が1名付く体制です。ファーストタッチを研修医が行い、身体診察や必要な検査を経て、上級医の先生と相談しながら、帰宅か入院かを含めて方針を決定していきます。
その中で大崎市民病院の強みとなっているのは、救急科とその専門病棟があることだと思います。
先日救急車で運ばれてきた方は、すでに肌の色が真っ白で、血中ヘモグロビンの値がかなり低く、体内の出血が認められる状態でした。ところが出血の原因を特定できず、どの病棟に入院させるかの判断が難しい状況といえました。
救急科に病棟も備えているため、いったん同科に入院して精密検査をした結果、消化管からの出血ということが分かり、消化器内科に転科してもらうことができました。
このように救急外来の場で鑑別がつかない場合でも、救急科に入院して精査を受けたあと、該当の科に送ることが可能です。研修医にとっても、救急外来で診た患者さんがその後にどうなったのかを院内で追えますから、鑑別の力がとてもつきます。
先日、他の市中病院に行った大学の同期たちと会う機会があったのですが、「私のところは整形外科がないので、交通外傷の患者さんが受け付けられない」「うちは脳外科がないから、脳出血は無理」といった話を聞きました。
大崎市民病院にはあらゆる科がそろっており、同時に3次救急として救急科と病棟も備えていることから、ほぼどんな症例でも受けることができます。それを改めて感じ、「この病院を選んでよかった」という思いを一層強くしましたね。

シンシナティ大学との交流で
得られる貴重な学び

米国のシンシナティ大学医学部との交流があり、2年に1回、同大学から医師と看護師が来日され、英語での医療講義や直接指導を受けることができます。専門用語の使い方や、所見をどのように述べていくのかなど、生の英語による医学の講義を聴く機会はなかなかないのでとても貴重な場だと思います。
私は英語にそれほど自信があるほうではないので、今から英語の論文などをできるだけ読むなどして、必要な事前知識を頭に入れるべく準備を重ねているところです。
加えて今年の5月には、3年目の専攻医の先生2名の他、指導医1名と看護師2名の5名がシンシナティ大学での現地研修に出かけました。

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県内最多の研修医数が
フルマッチする人気の理由

私が感じる大崎市民病院の一番の魅力は、「働いている人の良さ」だと思います。見学に行った時にも研修医の先生方の姿を見て、いくら忙しくても目は輝いているというか、たとえ叩かれても、伸び続けることができる病院だな…と感じました。
もちろん、行き届かないことやミスがあると叱られますが、叱った後に先生が、「だからこうしないといけないぞ」と一緒に気持ちを上げていってくれるんですね。
例えばエコー一つ当てるにしても、「1回やってごらん」とまずはトライさせてくれて、うまくいかない時は先生が代わって実演してくれます。そして次に患者さんが来た時に、「さっきのことを踏まえて当ててみよう」と必ず実践させてくれるんです。教えたことがちゃんと理解できているかをフォローしながら指導してくれるスタンスをいつも感じます。
私は学生時代、「1人で患者さんを診る時に自分に何ができるか」と自信がなく、研修医としての生活を不安に思っていたところがありました。でも見学でそうした先生方の姿を見て、「この病院なら頑張れる」と背中を押してもらえたように思います。
そして初期研修プログラムは、新専門医制度を踏まえた3つのコース(内科専攻・外科専攻・サブスペシャルティ)があり、柔軟な選択が可能です。私は小児科志望のため、サブスペシャルティコースを希望しています。少しでも選択期間が多くなるようプログラムを組み、小児科を入れていくイメージです。
もちろんベースになる部分では、各科をまんべんなく網羅できるプログラムですから、common diseaseを重視する人には良い研修になると思いますよ。

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現場の中で臨機応変に実施して
もらえる多彩な勉強会

主な勉強会としては、2週間に一度行われる呼吸器内科の「より深く分かる呼吸器疾患セミナー」が挙げられます。呼吸器内科の主な疾患は冬場に集中し、ローテートの時期によっては十分に経験できないケースがあるかもしれません。そこで呼吸器内科の常勤の先生が講師を務め、同科の基本的な疾患についての講義を研修医対象に行ってくれます。定例の勉強会では他に、年に7回実施される病院主催のCPC(臨床病理カンファレンス)、精神科の講義、BLS講習会など多彩な勉強会が開催されています。
何よりも大崎市民病院では、各科をまわっているときに、その科の先生が「いま時間があるから、ちょっと講義しようか」と現場で勉強会を適宜設けてくれるのが特徴的です。撮りだめしたスライドを見せながら症例のフィードバックを行うなど、日々の研修の中で臨機応変に学びの機会を作っていただけるのがとてもありがたいですね。

臨床研修管理部のスタッフ
による手厚い研修サポート

「臨床研修管理部」という研修医をサポートするための専門部署が病院内にあります。そこには6名の職員がおり、研修医の仕事や生活面を親身にサポートしてくれます。
私も、PHSが壊れた際にはすぐに対応していただくなど、日頃の小さな困りごとから何でも相談できるのでありがたい存在です。臨床研修管理部の部屋にもいつでも気軽に行きやすく、研修生活を円滑に送るために欠かせない役割を担ってもらっています。

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秋から冬のシーズンは「鳴子温泉」で癒されたい!
病院内にもリフレッシュできる環境がいっぱいです

――病院の近郊でおすすめのスポットを教えてください。

牛奥医師:病院から車で少しのところに、「ひまわりの丘」という観光名所があります。広大な丘の上に約42万本ものひまわりが咲き誇る名所で、ひまわり畑としての規模は日本で2番目とか。先日初めて行ってみたのですが、一面に黄色のひまわりの花が咲いていて、まさに圧巻の風景でした。
もう一つのおすすめスポットは、全国的にも有名な「鳴子温泉」。病院から車で40分くらいの場所にあるのですが、まだ私は行ったことがないので、秋から冬のシーズンにはぜひ出かけてみたいですね。また仙台にも新幹線で15分ですから、完全オフの日にはちょっと足を延ばして買い物したり、友達と会ったりしてリフレッシュしています!

――牛奥先生が考える病院内のおすすめポイントは何ですか?

牛奥医師:リフレッシュできる場所としておすすめなのは、2Fのフィットネスルームですね。職員誰でも24時間自由に使ってOK! 中には卓球台などもあって、同期の中には仕事帰りに立ち寄る人もいるみたいです。
もう一つのおすすめは、食堂がとっても便利なところ。お昼は日替わり弁当をお願いして、研修医室でみんなと食べることが多いです。弁当には380円と500円の2種類があって、500円のほうは温かいごはんとお味噌汁を自分でいくらよそってもOKの食べ放題なので、 男性陣は毎日重宝しているみたいですよ。

――学生時代は弓道をやっていたそうですが、現在スポーツはされていますか?

牛奥医師:弓道はなかなかできる機会がないので、何か他のスポーツを始めたいな…と思っています。実は病院内にはたくさんサークルがあって、マラソンやフットサル、野球やバスケなどとても活発で、ヨガもあるとか。中には100㎞マラソンに挑戦する先生もおられるようで、そんなアクティブさも大崎市民病院の魅力の一つかもしれません。

――最後に、医学生へのメッセージをお願いします。

牛奥医師:病院選びの際には、前評判がいろいろと耳に入ることもあると思いますが、ぜひ自分で1回、2回と足を運んで、その目で確かめてみることが大切だと思います。そして、黙っていても何でも教えてもらえる環境は、やっぱり学生までなんですよ。きっと社会に出てから実感することになりますから、学生のうちにしかできないことを勉強にかぎらず、今は精一杯トライしてほしいですね。

(2017年10月掲載)