【大阪】北摂総合病院 1~2年目研修医4名の座談会

2018/06/01

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救急での濃密な経験により「問診のリズム」がわかっていく

―― 貴院は、救急医療を含めた総合診療機能をもつ地域中核病院として重要な役割を担っていますが、救急科の研修の特徴や学んだことを教えてください。

千福医師:北摂総合病院は2次救急ということもあり、それほど重症ではない人からCPAで運ばれる患者さんまで幅広い症例があります。僕が研修初期によく叱られたのが、「漫然的な検査のオーダーを入れるな」ということでした。単なる風邪に近い症状の患者さんにも、型通りに採血をしようとして注意されるなど、最初は重症度や症状の見極めがなかなかできませんでしたね。

篠原医師:私も同じで、救急科での最初の1カ月は、目の前の患者さんに何もできないような状態でした。そこから数多くの症例を診て、上級医の先生のサポートを受けながら研修医がファーストタッチを行い、場数を踏むことで少しずつ鑑別力が上がっていきました。その中で感じたのは、同じ病気でも患者さんによって症状や処置の仕方がまったく違うということでした。

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高医師:同じ病気であっても、患者さんごとに既往歴や基礎疾患は違うからね。
たとえば同じインフルエンザでも、基礎疾患のない健常な人の場合とCOPDの患者さん、90歳以上のインフルエンザにかかった高齢者では、重症化リスクは大きく違ってきます。また、その人の背景や年齢、生活環境などでも重症度は左右されやすいんですね。多様な患者さんや症例を数多く診ることによって、そうした目配りや意識が持てるようになると思います。

平田医師:たとえば大学病院などの研修医は、上級医が診察をしているのを横で見ながら少し手伝うというスタイルで、患者さんと直接話をする機会はあまりないようです。その点、北摂総合病院の救急外来では、単に患者さんの話を聞くだけではなく、自分で質問の方法を考えながら答えを絞り込んでいきます。問診力は間違いなく養えますよ。

高医師:救急で豊富な場数を踏んでいく過程で、自分ならではの問診のリズムができていく感じかな。次に何を聞くか、前の答えを受けて何を掘り下げるか、そのリズムがわかってくる。それによって、自分の問診の「型」ができていくんですよ。聞くべきことが、自分の質問として自然と出てくるようになるんです。それは経験でしかなかなか培えないもので、コモンディジーズを多数診られる北摂総合病院だからこそ身につく部分でしょう。

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指導医の先生方の熱心な指導が自ら考えて行動する医師を育む

―― 元国立循環器病研究センターの森井功医師がおられる循環器科は、全国でもトップレベルのチームであると聞いています。循環器内科の研修の特徴はどのような点ですか?

篠原医師:カテーテル検査や治療が頻繁に行われ、助手として付かせていただきながら手技を豊富に経験できます。循環器内科は一つ上の先輩研修医とまわりましたが、エコーを当てる実技を一緒にやらせていただいたり、カテーテルも横について触れたりしますので実践的に学べました。

高医師:毎週金曜の循環器内科のカンファレンスは、1年目の研修医が受け持ち患者の症例を発表する場になります。たとえば7人の患者さんを持っていれば、すべての人の入院経過のアセスメントについて研修医が述べていくわけです。これはなかなか大変で、発表する患者さんが3人、4人となってくるとだんだんと頭は真っ白に…。森井先生をはじめ、カンファに参加している先生から容赦なく質問がきますし、中身は相当濃密です。大学病院の地域研修で来ている研修医も音を上げていましたから、鍛えられ方は半端ないですよ。

平田医師:現場では、CPAなどで担ぎ込まれる人もいる緊急度の高い中で、研修医が自ら対応していく経験を上級医と一緒に積み重ねていきます。急変時にはすぐに相談できる環境なので安心感もありますね。私は1年目に、胸痛の中でも緊急性の高い症例を迅速にコンサルトできて最初の自信になりました。森井先生を筆頭に、病院全体で循環器疾患に対する経験値を深めようと研修医をフォローしていただけるのでありがたいです。

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―― また、消化器外科には国内有数の外科医である豊田昌夫医師がおられますね。豊田医師からはどのような指導を受けましたか?

千福医師:私は消化器外科志望なのですが、ほとんどの手術に豊田先生が執刀医で入られ、そこに助手として関われるのは本当に勉強になります。オペはほぼ毎日あり、1カ月で30例以上は経験できました。虫垂炎や鼠経ヘルニアのほか、内視鏡での胆のう摘出術や胃がんの腹腔鏡下術、大腸がんや膵がんなどの難しいオペもありました。その中で、縫合手技でも道具の扱い方から処置の一つひとつまで丁寧に教えてくださり、テンションのかけ方など細かい点も指摘くださいます。メスの力の入れ具合や道具の持つ意味合いまで、術中に丹念に説明してくださるんです。

高医師:豊田先生は研修医も一人の戦力として頑張ってほしいと考えている先生で、すごく僕らのことを思って教えてくださいます。私も1年目から助手として開腹手術や腹腔鏡下手術に携わりましたが、オペ中に「一手先じゃない、十手先を考えて動け!」と怒られることもしょっちゅうでした。「考えて、とにかく手を動かせ」という指導をしてくださることが、病棟業務にも生きてくるんです。自分で考えて、自分から動かないといけないという医師としてのアクティブさにつながっていきます。確かに指導は厳しいですが、自身の成長を考えれば、絶対に豊田先生に学ぶべき。僕は間違いなく、研修医にとって近畿一の先生だと思いますよ。