C型肝炎と薬価の話

2016/04/05

渡です。
地元医師会の勉強会に参加してきました。

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C型肝炎の講演会でした。
ということで今回の「部屋とYシャツと国試」はC型肝炎のお話です。

C型肝炎はここ数年での新薬の開発ペースが凄まじく、そして驚異的な効果の薬ばかり。
大変興味深い話になると思うので是非講義などでも積極的に触れていきたいのですが、
自分の担当である臓器別講座は「国試から1ミリもずれない」のを目標としているため、
未だ国試に出題のないインターフェロンフリーの治療についてなかなか深く話す機会がないのですよね。
医師の間ではインターフェロンフリーでC肝が治るというのは
だいぶ定着した知識になっていると思いますが、あまりにも新しい治療法が
すごい勢いで出まくったため国試としては出しようが無いのでしょうね~。
(問題作成してから本番までに新しい治療法が出かねない)

結論から言うと今C型肝炎は治ります。インターフェロン無しで。
1型はソホスブビル+レジパスビルで奏功率99%(治験では全員治している、100%!)
2型はソホスブビル+リバビリンでやはり奏功率99%。本当にすごい、、、
医学を勉強していれば、自分が学生の頃とは変わったんだなーと
思い知らされることは少なからずありますが、ここ数年で一番自分の中で
衝撃的なのはやはり「C型肝炎がインターフェロン無しで治る時代になった」ということですね。
だからこそ一度はブログで取り扱おうと思っておりました。

治験で100%治したという奇跡のソホスブビル+レジパスビル(商品名ハーボニー)。
でもお高いんでしょう?ということでその薬価。1錠で8万円致します。
1日1錠内服で12週間内服しないといけないので8万×7×12=672万円。
肝炎治療は助成が効くので患者負担は月1~2万ですから残りの部分が国や都道府県から支払われます。
ただ本当に素晴らしい薬なのでその売れ行きが半端なく、
まだ発売開始から1年も経っておりませんがこの4月から3割も値下げされ1錠5万5千円となりました。

C型肝炎が治る時代になってきているということを皆さんに知って頂きたいというのもありますが、
薬価の問題についても是非学生の皆さんに考えてみて頂きたいなと常々思います。
医者になると薬価の問題というのは常に付きまといます。
肝炎に限らず、どんな薬を出す時もやはり患者さんの経済状況も考慮して処方をしていますし、
そういう個別の話だけではなくて、やはり日本で働く医師として
自国の医療費の問題というのは常に考えないといけないからです。
公費負担医療など、国試で覚えなければいけないのも
医師になったら患者さんの負担がどれくらいあるのかまで考えないといけないため。
公衆衛生はただの丸暗記と敬遠されがちですが、公衆衛生ほど実臨床で使える知識を学べる科目はないと思います。

病気や患者に貴賤はありません、その中でどこまで医療費をかけるべきなのか、
どこまで助成をすべきなのかということにはおそらく明確な正解はありませんし、医師の間にも議論があります。

私もまた公衆衛生の講義をさせて頂く機会があったらいつかこういうお話までできたらいいなと思います。