111回国試攻略vol.1 血液編

2016/12/10

いつもブログをご覧になって下さっている皆さんこんにちは。渡です。
111回国試も本格的に近づいて来た今日この頃、本ブログ特別企画として、
各教科の対策の仕方や注目したい新疾患などについて
順次お伝えして行こうと思っています。
12月いっぱいくらいを目安に、マイナーなども含め全教科やっていくので、
ご興味のある方は是非ご覧になってみてください!
全部は長い…という方は苦手な科目だけでも是非どうぞkira01
対策の仕方だけ、出題予測だけという見方ももちろんアリですぞ!!

※プラスワンポイントについては頻出疾患ではありません。
従って、受験生が必ず知っていなければならない疾患ではありません。
「知らない!ヤバい!」と思う必要は全くありませんので
焦らずに読み物としてお読みいただければ幸いですm(_ _)m
知っておいてほしい頻出疾患は「対策の仕方」の方でご確認ください。
こちらは文字通り「頻出疾患」ですから、出る確率としては高いはずです。

記念すべき第1回は「血液」から。

■ 対策の仕方

国試全体が年々難化傾向にあることを受けて、血液もやや難化傾向と言えます。
全体的に臨床判断を問う問題が多く(経過観察でいいのか、移植までやるのかなど)
病態だけではなく重症度や治療まで概説できる能力が求められる教科と言えます。
近年出題が目立つのは
「染色体異常を問う問題」
「予後因子を問う問題」
「幹細胞についての知識」を問う問題です。
いずれも完全に知識勝負になってしまうので覚え落としのないよう気を付けましょう!

貧血や白血病、悪性リンパ腫など主要疾患は大丈夫な方も多いでしょうが、
意外と勉強し忘れがちなのは「骨髄増殖性疾患」
いわゆる多血症、血小板血症、骨髄線維症などですね。
ここ数年毎年のように1~2問出題がある分野なので
忘れている方は見ておくのが良いと思います。
そして以前触れましたが意外と出やすいのが「HUS」
実はこちらも毎年のように出題があります。
一方、近年血小板機能異常(血小板無力症など)の出題は低下傾向にあります。
あの手の疾患は血液内科であってもなかなか出会う機会の少ない疾患なので
病態より臨床重視の昨今はやや軽んじられているのかもしれません。
出ないと断言はできませんし、病態としては
どうせ理解しておかなければならないところですが優先順位についてはご一考ください。

■ プラスワンポイント
1 好酸球増多症候群(HES)
寄生虫、I型アレルギーやChurg-Strauss症候群で好酸球が増えるのはご存知の通り。
これらの原因がないのになんか好酸球が多いものを好酸球増多症候群(HES)と呼びます。
臓器障害(好酸球性肺炎など)を起こしたりもします。
好酸球増えるので「とりあえずステロイド」になりがちな病気。
このHESをよく調べてみると腫瘍性に好酸球が増える
「慢性好酸球性白血病」が原因であることがあります。
骨髄増殖性疾患の一種ですが、遺伝子変異を伴うことが多くイマチニブ有効例があります。
「骨髄増殖性疾患」「遺伝子変異」「分子標的薬」「臨床的に見かけやすい」
など最近の国試が好きな要素がそろっているので狙い目ではないかと考えています。

2 薬剤性溶血性貧血
名前の通り薬により溶血性貧血が起こるもの。
メチルドパが圧倒的に有名です。他ペニシリン、セフェムなど。

3 hairy cell leukemia
CLLの類縁疾患で、B細胞性の白血病。
白血病細胞が周囲に毛みたいな突起を生やしているのでhairy cell。
キーワードは脾腫、dry tap、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ陽性。
治療としてはクラドリビンという抗癌剤が有効です。
とはいえ日本では珍しいので出るとしたら一般かな、と予測しておく。