111回国試攻略vol.4 消化管編

2016/12/13

~111回国試攻略講座のお約束~
※「対策」は近年よく出てる疾患や各教科の勉強の仕方をお伝えします。
こちらの方は頻出疾患を主に紹介していますので出る確率は高いはずです。
※「ワンポイント」は頻出疾患じゃないので知らなくても当たり前です。
最低限の知識はお伝えしますので読み物として。
※絶対みんなで合格しましょう!!

それでは第4回、「消化管」行きます!

■ 対策の仕方
簡単になったわけではないです。近年明らかに増えている「外科の問題」
それから「癌の治療選択」などは難問と言えるものが多いでしょう。
しかし、特に近年出題が目立つピロリ菌逆流性食道炎
機能性消化管障害(過敏性腸症候群やディスペプシア)などのcommon diseaseが
軒並み難易度を上げ辛い疾患であるため、易しい問題がどうしても多いのです。
だからこそ何だかんだであまり手強い印象が無くなっている教科と言えそうです。
ちなみに、たまに正答率数%~10%くらいの問題を
1問くらい混ぜてきたりする科目でもありますがスルーしまs(ry

さて、神経はかなり出題に偏りが見られるのに対し、
消化管は全分野から満遍なくというのが徹底的に心がけられているようです。
肛門疾患ヘルニアあたり、最後の方に勉強しがちな分野もしっかり毎年出ます。
時間がない方は浅めになるのを覚悟してでも広く勉強しておいた方が良いかと思います。

また、「全分野から満遍なく出したい」ということは、
「近年よく出る疾患」だけでなく「ここ数年出ていない疾患」にも注意する必要があります。
満遍なく出したい、ということは、出ていないもの程出してくる可能性があるからです。
そんなの沢山あるのですが、あえて一つ有名ドコロで挙げるならば大腸癌でしょうか。
109回、110回と大腸癌を主役にした問題がないので
(単語が出たり、検査学の一環で出たりはしていますが108回までに比べると薄い)
そろそろまたドーンと出すのではないかなと思います。

■ ワンポイント
1 抗TNF-α抗体(インフリキシマブ)
もともとはリウマチの治療薬ですが炎症性腸疾患の治療にも使われています。
UC, Crohnどちらにも使うのですが、特にCrohn病には絶大な治療効果を発揮します。
ちなみに炎症性腸疾患は毎年必ず出ます。UC, Crohnともに出題されている年も多いのですが、
目立つ問題はおおむね交互に出題されており、昨年UCだったので今年はCrohn病かしら、、
UCについては病理がよく出題されるのですが、Crohn病は今のところあまり病理が出ておらず、
成分栄養などの治療選択をさせる問題も目立つので、臨床的な治療薬に関する出題もあるかもです。

2 上腸間膜静脈血栓症
頻度は低いですが急性腹症の原因の一つです。
上腸間膜動脈閉塞は腸管壊死を来しますが
こちらは静脈閉塞なので腸管壊死や腹膜炎というのは起こりづらいです。
動脈閉塞と同じく血栓による血管閉塞が主病態なので抗凝固薬で治療。