2019年4月労働基準法改正について

2019/02/18

渡ですkao06

この4月からいよいよ労働基準法が変わります。
今回の改正は結構大きな改正で、普段産業医としても働いている自分としては見逃すことができない内容となっています。
私が担当している事業所でもこ~んなチラシを作ってしっかりスタッフの皆さんに周知させて頂きました↓↓
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このチラシは一般の労働者の方に向けて作成したものですので、
お医者さんや医学生の方に全て関係がある内容というわけでもないのですが、
ちょうど国試も終わり、これから社会人という方もいらっしゃるタイミングかと思います。
今後の皆さんにとって無関係ではない内容だけ、以下ピックアップして紹介します!

まずは有給休暇の付与義務化
年5日の有給休暇を付与するのが事業主に義務付けられ、守らない場合は罰則(罰金や懲役)まであるという本気度。
これは知らないと結構大変なことになる(繁忙期にまとめて有給を取らせざるを得なくなる)ので各企業の注目度も高いです。
みんなもいつか「有給取ってください、いつにしますか?」なんて言われるかもte03

そして「高度プロフェッショナル制度」
アナリストとかコンサルタントみたいな専門的な仕事をしており、
かつ高収入の人(年収1000万とか)の場合、裁量労働制として、
時間にとらわれずに働くことが出来るようになるというものです。
一応休日は年間104日確保しなければなりませんが、
基本的にはいくら残業しようが連勤しようが本人の自由となります。残業代ゼロ法案と呼ばれたのはそのため。
まあ裏を返せば今日は仕事無いんで早く帰りま~すとか、子供の送りをしてから行くのでお昼出勤になりま~すとかも可能。

そしてこの「高度プロフェッショナル制度」に医師は当てはまるのか、というのが随分議論になったものです。
結論を言うと→「当てはまらない」。それから、今回の労基改正で、時間外労働規制というのが出来ましたが、
それも医師については5年間の猶予がある。とされており、すぐには適用されません。
色々と審議を重ねてはいるのでしょうが、あまりまとまっていないようです。果たして5年後どうなることやら…
どうなるにせよ皆さんへの影響は大きいのではないかと思いますが。

働き方というのは個人の価値観の問題(働きたい人も働きたくない人もいる)のでルールを決めるのはなかなか難しいものです。
「病棟あるなら土日も行く」とか「仕事終わっても医局でだらだら」みたいなのはとても不思議な医師の風習だと思いますが、
それが悪いことなのかと訊かれたら私には分からないです。人それぞれ考えがあってやっていることだと思うので。
今後の議論がうまくまとまることを祈ります。