花粉症完全攻略講座〜前編〜

2019/03/04

渡ですkao06

すっかり花粉症のシーズンですねaicon205
皆さんの中で、花粉症くらい大したことない!とお思いの方はいらっしゃいませんか?
しかし、受験生たるもの花粉症をはじめとした鼻炎をナメるべきではありません。
鼻の調子が悪いと仕事や勉強の効率は大幅に低下します。
昨年声が出なくなったせいで耳鼻科には大変お世話になったのですが、
その時耳鼻科の先生にかなり厳しくこれを言われました。
いわく「先生(私)は塾講師なら勉強するのが仕事でしょう。
鼻が悪かったらいい勉強はできませんよ。鼻の調子を整えるのも仕事のうちです」とか。
確かにアデノイドの症状に「学力低下」ってあるくらいですし、
風邪や花粉症が本当にひどい時って勉強で机に向かって下を向くのもつらいし鼻水ばっかりで全然集中できないですねkao19
たかが花粉症と侮るなかれ!花粉症を放置すれば勉強のクオリティにも影響を与えるということです。

さらに!花粉症といえばれっきとした国試の頻出疾患です。
というわけで今回は国試の問題を読み解きつつ花粉症の勉強をしていきましょう。
花粉症対策には結局どの薬がいいのかな?

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32歳の女性。くしゃみ、鼻汁および鼻閉を主訴に来院した。
3年前から、毎年2月から4月にかけて同様の症状を繰り返していた。
症状は外出時に増強し流涙を伴う。体温36.4℃。眼球結膜は軽度発赤している。
咽頭扁桃に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。
血液所見:赤血球410万、Hb 14.0g/dL、Ht 39%、白血球4,800
(桿状核好中球2%、分葉核好中球41%、好酸球13%、好塩基球2%、単球5%、リンパ球37%)、血小板21万。
免疫学所見:CRP 0.3mg/dL、IgE 260IU/mL(基準250未満)、IgE RASTスコア:スギ3(基準0)。
治療薬として適切なのはどれか。3つ選べ。
a β刺激薬
b 抗コリン薬
c 抗ヒスタミン薬
d 副腎皮質ステロイド点鼻薬
e ロイコトリエン受容体拮抗薬

正解はc,d,e。正答率は90%といったところなので簡単な問題と言っていいでしょう。
じゃあ、どれを最初に出すべきかわかりますか?

日常臨床だとcを最初に出す先生が多いですね。
一般的にもよく知られている薬なので患者さんとしても安心してくれます…が、
「眠くなるからヤダ」っていう人も多いです。
理論上第2世代の抗ヒスタミン薬の多くは血液脳関門をあまり通過しないためそんなに眠くはなりません。
でも眠いかどうかは気持ちの問題もあるので、眠いと思ったら眠いです(笑)

eのロイコトリエン受容体拮抗薬を初手で出す先生は少ないですね。
本当は鼻閉型はロイコトリエン受容体拮抗薬、
くしゃみ・鼻漏型は抗ヒスタミン薬と使い分けるのがいいらしいけども
耳鼻科の専門医以外はまず使い分けてない気がします。
実際鼻閉も鼻漏もくしゃみも全部あるよ!って人も多いし。
でもロイコトリエンが鼻閉に関与っていうのは
さりげに国試に出ている(111回、I-21)ので試験的には覚えてもいいかも。

私はdのステロイド点鼻がイチオシですね!鼻閉型でも鼻漏型でも使えるし
眠くなるとも言わせない!私も花粉症(軽度)ですが自分自身は
抗ヒスタミン薬は使わず、ステロイド点鼻と点眼で全く問題なく乗り切っていますよ。

長くなって来たので減感作療法については後編につづく!