皮膚筋炎についてもう一度勉強し直そう〜前編〜

2019/11/25

とりあえずこの問題をご覧ください。

113F-53
68歳の女性。全身倦怠感、皮疹および四肢の脱力を主訴に来院した。3か月前から露光部皮膚に紅斑が出現した。3週間前から全身倦怠感が出現し、起床、起立および上肢挙上に困難を感じるようになった。1週間前から全身に皮疹が拡大し、食思不振も出現したため受診した。体温37.3℃。脈拍92/分、整。血圧122/88mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。上眼瞼および前額部に紅斑を認める。体幹など広範囲に鱗屑を伴った紅斑を認め、一部にびらんや痴皮を認める。口腔粘膜に異常を認めない。心音に異常を認めない。両側胸部にfine cracklesを聴取する。頸部屈筋、四肢近位筋は徒手筋力テストで4。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球416万、Hb 13.9g/dL、Ht 39%、白血球7,400(好中球70%、好酸球2%、好塩基球1%、単球13%、リンパ球14%)、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、AST 137U/L、ALT 55U/L、LD 421U/L(基準176~353)、尿素窒素17mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、CK 2,010U/L(基準30~140)。免疫血清学所見:CRP 1.1mg/dL、抗核抗体陰性、抗Mi-2抗体陰性、抗MDA5抗体陰性、抗TIF 1-γ抗体陽性。胸部CTで両側肺底部背側胸膜直下に限局した軽度の線維化病変を認める。手指および下肢の皮疹を別に示す。
この患者で最も併発しやすいのはどれか。

a 悪性腫瘍
b 指尖潰瘍
c 異所性石灰化
d 多発単神経炎
e びらん性関節炎

113F-53A

113F-53B

本問の正答率は93%。正解はa。皮膚筋炎といえば、ですね。
国試における免疫アレルギーという教科は基本的に早押しクイズに近いです。
ゴットロン、ヘリオトロープ、Jo-1抗体→皮膚筋炎でおk。
この問題も例外なくそれで解けるのですが、よくよく問題文を読んでみると
皮膚筋炎についての新しい知識や近年の知見がそれとなーく交えてあります
膠原病の分野も新たな自己抗体が見つかったりで進歩している分野なので
今回は皮膚筋炎について臓器別で教えていないこと
(=今のところ知らなくても解けるが近年注目されていること)について前後編で紹介していきたいと思います。

まず問題文にある「露光部皮膚に紅斑が出現した」というところ。
露光部=光線過敏=SLEと思うなかれ、これは皮膚筋炎で見られるショール徴候と呼ばれるものです。
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ショール徴候は私も学生時代に習ったので臓器別では触れてないんですが比較的有名かもしれませんね。

そして!これは学生時代私は知らなかったσ(^_^;)機械工の手と言われる所見です。
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実際に工具を握った時に皮疹が出るのではなく、親指の尺側面や人差し指の橈側面に皮疹が出やすいので、
まるで工具をよく使うせいで手が荒れてしまった人みたいですね、という意味です。

つまり、皮膚筋炎の皮膚症状として従来のヘリオトロープ、ゴットロンに加えて
ショール徴候と機械工の手まで抑えておきましょうという話でした。

後編は皮膚筋炎で見られる自己抗体についてです。
例えば機械工の手は皮膚筋炎全般で見られますが、
特にARS抗体陽性の場合に見られやすいなどの特徴があるのですenpitu
ARS抗体が何かわからない!という方は!待て次号!(`・∀・´)!

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