国試に役立つ「青に、ふれる。」

2020/06/30

渡ですkao06

今回は国試に役立つ漫画シリーズということで
月刊アクションで連載中の「青に、ふれる。」をご紹介します。
まだ2巻までしか刊行されていませんが巻数が進めばメディアミックスありそうです。
私は2巻までですでに2回泣きました(T-T)巻数少ないということは追いつきやすいと思うので是非!

主人公は生まれつき顔に青いアザがある女子高生。

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出典:鈴木望『青に、ふれる。』/双葉社アクションコミックス 第1巻 P.13~14より引用
ちなみに相手役は相貌失認という設定ですが今回は触れません。
主人公のアザについては上記のように作中ではっきり「太田母斑」と病名が明言されています。

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出典:鈴木望『青に、ふれる。』/双葉社アクションコミックス 第1巻 P.24より引用
ここで少し爆発してますが、基本的に主人公はアザのことで周りに心配かけないようにふるまういい子です(ノД`)
だからこそこのシーンはほんとに刺さりましたね…。

で、この漫画の何が国試に役立つかというと「太田母斑は青い」ということです。
そんなん知っている!と思われる方も多いかと思いますが、
では蒙古斑の青さと太田母斑の青さは何が違うのかと言われると意外と難しいのではないかと思います。

そもそも母斑というのはざっくり言えば良性腫瘍ですが、
何が増えるかによって分類があります。血管が増える血管腫は血管系母斑ですが
メラノサイトが増えるメラノサイト系母斑の代表格が扁平母斑(カフェオレ斑)、太田母斑、蒙古斑。
この3つの色の違いはメラノサイトがどこで増えるかによって決まります。

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真皮メラノサイトが増生しているのはどれか。
a 太田母斑
b 表皮母斑
c 扁平母斑
d 色素性蕁麻疹
e café au lait斑

この問題は2つのポイントがあって、「まずメラノサイト系母斑であること」「それが真皮で増えている」ということ。
c=e(厳密にはレックリングハウゼンに伴う扁平母斑をカフェオレ斑と呼ぶ)はメラノサイト系ではあるけど
真皮ではないから正解にはなりません。答えはaですね。表皮母斑とかはそもそもメラノサイト系母斑ではありません。

太田母斑については以前も記事にしております。貴重な原著論文の画像も載せているので
興味がある方は是非そちらもご参照ください!→太田母斑について語る

コメント

  1. けんけつ

    渡先生、講義で平素よりお世話になっております。
    また、ブログも楽しく拝見させていただいております。

    私は国家試験に向けてメックの冊子に載っている問題を解いているような状況にいる6年生です。
    今回のブログには関係ないのですが、一つ質問をさせていただきたいです。

    国家試験99c-14についてです。
    この症例では術後イレウスによる脱水に対して輸液を行うという設定です。
    間欠的な嘔吐により代謝性アルカローシスを起こしているのではと考えてしまい、どうしても乳酸の入っているa~dを選べないのですが、このような場合はどのように考えたらよいのでしょうか。
    知識が浅いため勘違いしている点などもあり、初歩的な質問になってしまっているかもしれませんがご回答いただけると幸いです。

    1. Dr.渡

      けんけつさん

      こちらこそお世話になっております&ブログの閲覧・コメントありがとうございます!

      いえいえ、こちらこそ綿密な知識に基づいた回答ではなくなってしまうのですが;
      臨床現場で脱水の患者を見た時には何も考えずにすぐリンゲルを入れてしまうのが普通で、
      アルカローシスがありそうだからリンゲルは止めておこう…と考える医者は少数派だと思います。
      (すごい補液の専門家とか、小児の肥厚性幽門狭窄とかはまた別だと思いますが)
      そもそも酸塩基平衡自体、意識障害があるなどの場合を除いて
      あまり意識しないで補液していると思います。

      6年生とのことで、沢山問題を解かれている時期だと思います。
      引き続き頑張って下さいね。コメントありがとうございました!

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