『マッチング』は、医学生が初期研修を行う病院を決めるための「医学生版就職活動」の総称です。マッチングで大切な3つのポイントをチェックして、マッチング活動を進めていきましょう!
手続き等 | 日時(全て午後2時) | 参加者(6年生・既卒者)スケジュール |
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参加登録開始 | 6月10日(木) | 出身大学から参加登録用のID、パスワードをもらい、オンライン手続きを行いましょう。 |
参加登録締切 | 8月5日(木) | 14時迄に参加登録を完了してください14時を過ぎると、結果発表後に2次募集で病院を探す以外の方法がなくなります。 |
希望順位登録受付開始 | 9月16日(木) | 選考を受けた病院の中から、研修をしても良いと思う研修プログラムのみを登録しましょう。 |
希望順位登録中間公表前締切 | 9月30日(木) | なるべく、中間公表前までに希望順位登録を行っておきましょう。最終締切までは、希望順位の変更が可能です。 |
中間公表 | 10月1日(金) | 前日締切時点で、プログラム毎に当該プログラムを第1希望にしている、6年生・既卒者の数のみがオンラインで公表されます。 |
希望順位登録最終
締切 |
10月14日(木) | 14時迄に順位登録を完了してください14時以前にログインして14時以降も登録操作をしている場合、締切を過ぎてからの登録内容は反映されません。 |
組み合わせ結果発表 | 10月28日(木) | オンラインでマッチ結果を確認しましょう。 |
医学部入学定員増と海外医学部卒業生の増加により競争激化時代に
近年のマッチングは、医学部入学定員増と海外医学部卒業生の増加により、参加者が増え続けています。その結果、定員充足率が85%を超える状況が続き、アンマッチ者の数も非常に多くなっています。つまり、医学生にとってはマッチング競争が激化していることになります。
年度 | マッチング参加者数 | 病院の募集定員数 | 定員充足率 |
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2016年 | 9,631名 | 11,195名 | 86.0% |
2017年 | 9,969名 | 11,014名 | 90.5% |
2018年 | 10,063名 | 11,253名 | 89.4% |
2019年 | 10,075名 | 11,109名 | 90.7% |
2020年 | 9,876名 | 11,007名 | 89.7% |
※2016年―2020年 過去5年間のマッチング参加者・病院募集定員・定員充足率データ
10人に1人はアンマッチになる時代
マッチングでの競争が激化した結果、1次募集で研修先が決まらない学生も増えています。受験者数が増えたことで採用する病院は、「今までより厳しい目で医学生を選ぶ」ようになっており、希望病院全てにマッチせずアンマッチになり2次募集で活動する人数が増えています。
年度 | マッチング参加者数 | 1次マッチ者数 | アンマッチ者数 |
---|---|---|---|
2016年 | 9,631名 | 8,906名 | 725名 |
2017年 | 9,969名 | 9,023名 | 946名 |
2018年 | 10,063名 | 9,202名 | 861名 |
2019年 | 10,075名 | 9,042名 | 1,033名 |
2020年 | 9,876名 | 8,869名 | 1,007名 |
※2016年―2020年 アンマッチ者(希望順位未登録者を含む1次募集で病院が決まらなかった人数)
マッチする難易度が「都道府県」により顕著に差が出る時代
細かくデータを見ていくと、都道府県によっても、その充足率(マッチ者数÷募集定員)が大きく異なっていることがわかります。特に充足率が高い都道府県では、それだけライバルが多いという事になります。当然のことながら、その都道府県内にある病院の競争率も高くなる傾向があります。
都道府県 | 募集定員 | マッチ者数 | 充足率 |
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大阪府 | 646名 | 634名 | 98.1% |
神奈川県 | 662名 | 630名 | 95.2% |
京都府 | 254名 | 241名 | 94.9% |
岡山県 | 201名 | 190名 | 94.5% |
東京都 | 1,326名 | 1,238名 | 93.4% |
兵庫県 | 418名 | 389名 | 93.1% |
愛知県 | 568名 | 528名 | 93.0% |
千葉県 | 473名 | 434名 | 91.8% |
奈良県 | 141名 | 129名 | 91.5% |
福岡県 | 422名 | 376名 | 89.1% |
栃木県 | 184名 | 159名 | 86.4% |
沖縄県 | 175名 | 148名 | 84.6% |
※2020年 都道府県別 充足率 ランキング
MECスタッフのアドバイス①病院側はマッチした後に留年や浪人で内定者(マッチ者)から欠員が出てしまうことを避けるために、「CBT試験の結果」を提出させたり、 「国試過去問ベースの試験」を導入するなど、ハードルを新たに設ける病院が増えています。
MECスタッフのアドバイス②2020年度のマッチングの参加者数は9,876名ですが、マッチ者数は8,869名となり、マッチしていない方は1,007名となっています。 つまり、 約1,000名が2次募集以降で病院を探すことになりますので、選ぶ病院によっては、1次の時より競争率がグンと高くなることもあります。
MECスタッフのアドバイス③近年多くの病院が、募集定員を増やすための申請を行っているため、場合によっては夏以降に突然募集定員が増える病院があります。逆に突然募集定員が減る病院もあるため、気になる病院や受験する病院に関しては、 「その年に募集定員増減があるかどうか」を必ず確認しましょう。
マッチング活動をいつから、そして何から始めたらいいのか、現在の学生の傾向をまとめてみました。マッチング活動を開始するタイミングは人それぞれですが、近年大学カリキュラムの変更や卒業試験の時期などに合わせ、見学などを開始するタイミングが早い傾向が見られます。
2020年からの初期研修における必修科目の変更や、2017年度から開始された専門(後期)研修を対象とした
新専門医制度など、新制度下での各病院での研修のメリット、デメリットを考えながら、自分に合った病院選びを行う事が重要です。
1~3年生
意識が高い人は活動を開始し、説明会や、病院の開催するイベント・見学にも参加しています。メリットは 早期から病院や先生との関係を作れることです。しかし、自分の研修が開始するまでに研修の内容や病院の雰囲気、先生、またマッチング制度自体が変わる可能性もあるので、その点を考慮して活動しましょう。
4年生
多くの学生が活動を開始するマッチング活動の中心となりつつある学年です。メリットは、比較的見学する時間が取りやすいことがあり、複数回見学に行こうと考えている人はまずこのタイミングで1回見学するといいでしょう。ただし、臨床実習が始まる前だと、 どの診療科で、何をポイントに見学をすればいいのかが曖昧になるので注意が必要です。
5年生
5年生の中盤の夏休みは活動の中心であり、終盤の春休みは活動の大詰めです。メリットはほとんどの人が臨床実習を経験しているため、将来の専門診療科や自分の医師としてのキャリアを具体的に描けることで、より自分に合った病院を探すことが可能になります。しかし、 臨床実習中は時間がなく、体力的・精神的にも消耗するので、計画性が重要です。
6年生
7割以上は希望病院を決めていて、残り2割強が新たに活動する時期です。メリットは、 病院の最新の情報や状況を把握した上で、病院選びができることです。定員の増減や、高名な先生の移動など、研修内容がガラっと変わることでのミスマッチを防げます。しかし病院によっては、志望者と早くから関係性が出来ていて「相思相愛状態」になっているため、マッチすることが不可能になっている場合もあります。
まず基本の仕組みを確認しましょう。
研修希望者約10,000人に対して約1,000の研修病院があり、それぞれ研修プログラムがあります。参加する学生・病院それぞれの希望を踏まえて提出された希望順位表に基づき、コンピュータを用いて一定の規則(アルゴリズム)に従って組み合わせを決定するシステムを、マッチングと呼びます。
給与やエリア等、自分の希望する条件を元に、病院を絞り込んでいきます。
条件が決まったら、MEC Found初期研修病院サーチを使って病院を絞り込んでみましょう。また、当直について具体的にどう行うのか、実際にどのような環境なのか等知りたい方は、病院特徴や研修情報、ギャラリー画像が満載の 「Doctor’s Voice」で、メックがおススメする病院情報を見てみましょう。病院の選び方がわからない、どうやって選ぶべきなのか悩んでいる人は、次の項目で詳しく説明していきますので、確認しておきましょう。
また、気になる病院が見つかったら、まずは資料請求するのがおススメです。なるべく多くの資料を細かくチェックし、病院ごとに比較をして、見る目を養いましょう。
行きたい病院が決まったら、病院見学に行きましょう。
年々病院見学への参加時期が早くなってきているので、マッチングについて気になったらまず行動しましょう。病院見学に行くと、マッチングについてわからないことも同時に解消できます。病院見学の流れや見学の注意点は、「病院を選ぶ」、病院への連絡方法は「病院への連絡・書類の準備」の項目で詳しく説明していますので、事前に確認しておきましょう。
また、COVID-19パンデミック以降、オンライン説明会に対応している病院が増加していますので、遠方の場合などは積極的に利用しましょう。
採用試験を受けます。
ほとんどの病院では、7月~8月の期間に採用試験が行なわれます。応募書類の書類選考に始まり、病院ごとに筆記試験、グループワーク、小論文、英語の適正試験、個別or集団面接など、実施される内容は様々です。しっかり事前にリサーチしましょう!
毎年10月後半に、マッチング協議会のサイトでマッチングの結果が発表されます。
希望の病院にマッチすればテンションやモチベーションも上がります。しかし、残念な事にアンマッチになれば、卒業試験や国家試験に影響が出てしまう、ということも大いにあります。
アンマッチになった場合
1次募集で病院が決まらなかった人は、10月下旬の2次募集以降で再びマッチング活動をすることになります。2次募集は仕組み自体がマッチングと全く異なるため、2次募集の基本ルールも、事前に把握しておくことが重要です。
MECホームページの「MEC Found」では2次募集の仕組みを説明している動画を用意しているほか、「2次募集掲示板」「2次募集相談窓口」「Twitter」などで皆さんのサポートを行います!
・アンマッチ(になる)…1次募集時に、希望したどこの病院にも採用されなかったこと。
・フルマッチ…研修病院の研修医採用が、募集定員全員分決まった状態。
・2次募集…1次募集で研修先病院が決まらなかった人、または研修医が採用できなかった病院が改めて10月以降に活動をする際、双方の立場で使用する言葉。