採用試験を受けるexam-main-s

初期研修採用試験で最も重要だと言われているのが「面接」です。しかし、面接以外にも合否に関わる採用試験はいろいろありますので、希望の病院が設けている試験内容をチェックして、それぞれに合わせた対策をしましょう。

筆記試験

筆記試験

マッチング試験において、面接のほかに筆記試験を課す病院の割合は約32%です(※)。中でも近年、卒試や国試に合格する可能性を事前に把握する目的で、筆記試験を導入する病院が増えています。また、難しい筆記試験を導入している病院を受験する場合は、早めの対策が必要となります。(※『iCrip 初期研修病院サーチ』病院情報より)

CHECK■病院によって試験の難易度に差があるため、前年度受験者などから詳細を聞き、最新の試験情報を確認しましょう。■筆記試験ばかりに気を取られ、面接で後悔しないようにしましょう。

筆記試験の種類

  • 1.多肢選択式(国家試験形式)国試の過去問や、卒試の過去問などを使用した試験
  • 2.口頭試問形式、OSCEOSCEなどの実技や口頭試問形式の試験
  • 3.英語和訳、要約、読解、USMLE形式の試験
  • 4.性格テスト、適正テストMMPI、クレペリン検査などの試験

1.多肢選択式(国家試験形式)

純粋に学力を判断するためのテストです。大学病院や大規模市中病院など受験者数が多い病院は、国家試験形式の試験を実施するケースが多く、国家試験の過去問や、大学病院であれば卒業試験の過去問(改変含む)から出題されます。

出題傾向一般・臨床問題ともに出題され、出題分野としては内科、外科のメジャー科目、小児科、産婦人科が多いようですが、なかにはマイナーや公衆衛生が出題されたり、○×形式で知識を問われたりすることもあります。

POINT問題の難易度や、筆記試験の結果が採用の合否にどの程度関わるかは病院によって大きく異なるので、志望病院の試験情報は必ずチェックしておきましょう。ひとつの傾向として、大学など受験人数が多い病院の場合は、面接より試験結果が重視される可能性が高いので、なるべく高い点数を取っておくと安心です。逆に、受験人数がそれほど多くない病院では、面接での評価が中心となり、筆記試験結果は全体評価の1つの参考材料になるケースが多いため、勉強不足で点数が低くなり過ぎないように気を付けましょう。

2.口頭試問形式、OSCE

学力と実践力の両方を判断するテストです。マッチングの採用試験における「口頭試問形式」「OSCE」は、基本的な学力の確認という目的もありますが、まさに研修医が直面する救急や当直などの現場で、どのような対応が出来るかを試され、見られています。また同時に、その対応の様子から人物像も見られているケースもあるようです。完璧に回答できなくても、慌て過ぎてマイナスになるような行動や言動をしないように注意しましょう。

出題傾向実施される内容としては、基本的な医療面接(問診から治療についての説明まで)形式。
短ければ5分程度での試験となり、試験を受ける6年生の夏の時点で、知識面で困るような難しいことは問われないことが多いです。

POINT医療面接対策は練習あるのみ。特に当日は緊張する中で課題を与えられるため、時間内にしっかり終わらせられるかは、練習量で顕著に差が出ます。友達同士で必ず練習しておくようにしましょう。

3.英語

学力や病院が求める能力を判断するためのテストです。特に大都市部では、英語関連の試験を導入している病院が複数ありますが、病院によっても点数が合否に関わる比重は様々です。ただし、対策をしているか、していないかで非常に大きな差が生まれるのも事実です。英語問題でライバルと差をつけるためには、早めの勉強が必須となります。

出題傾向

【Test1 英文和訳・要約】
辞書持込OKのところから、論文並みの英文和訳が出る病院まで、試験のレベルはさまざまです。
【Test2 USMLE】
基礎医学のSTEP 1や臨床医学のSTEP 2CK(Clinical Knowledge)など、アメリカの医師国家試験であるUSMLEの問題(多肢選択形式)が出題されます。
【Test3 読解】
英文が提示され、その内容について自分の考えなどを述べる形式の試験です。
【Test4 その他】
英語での面接や抜き打ちでの口頭試問など、英語でのコミュニケーション形式の試験です。

POINT勉強する際には、医学英語系の参考書を買ってもいいですが、インターネット上で『NEJM』(The New England Journal of Medicine)や『PubMed』といった文献のデータベースを読むことができるので、積極的に活用するのもオススメです。
また、将来を見据え、アメリカの医師国家試験であるUSMLE対策の問題集で英語力を鍛えてもよいでしょう。ほかにも学内外の英語勉強会やサークル、セミナー、ワークショップなどもたくさんあるので、気になった人はチェックしてみてください。

4.性格テスト、適正テスト

学力よりは人物像を判断するための指標の1つとして行う、簡単なテストです。MMPI(国試でもおなじみのMinnesota多面人格検査。質問紙法の心理検査)、クレペリン検査(一桁の数字をひたすら足し算して、性格・適性を見る検査)などの導入例がありますが、対策が必要なテストではありません。

アドバイス1

MECスタッフのアドバイス①受験倍率が非常に高い人気病院などは、受験者もハイレベルなライバルが多いので、挑戦する人の中には4年生ごろから意識をして試験対策を行う人もいます。

アドバイス2

MECスタッフのアドバイス②自分の母校を受験する場合は、在学中の行動や成績などを把握されている可能性があります。問題視されている可能性がある人は、注意が必要です。他大学の受験者が多い場合などは、母校にマッチしないというケースも出ています。

アドバイス3

MECスタッフのアドバイス③大学病院の採用試験で、その大学の卒業試験の過去問題を一部使用している場合、出身大学の学生の方が有利に思えるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。マッチング結果の「自大学出身率データ」を見てみると参考になります!

小論文

小論文

小論文で病院は何を見ているのでしょう? 知識、能力の評価もありますが、一番は「一緒に働けるかどうか」という点に尽きます。物事を論理的に考えられるか、どんな人柄か、何に関心があるのかなどの判断材料にもなります。自由に書けるため、迷ってしまう人も多いので、基本を押さえておきましょう。

CHECK

小論文の力を伸ばすためには、本番さながらの環境で実際に書いてみることが一番です。例えば『チーム医療』をテーマに制限時間60分、800字以内で述べるという設定をし、原稿用紙と時計を用意して実際に小論文を書いてみましょう。書き終えたら、わかりやすい文章になっているか筋の通った話の展開になっているか字数はオーバーしていないか一文が長くないか等をチェックしましょう。また声に出して読み上げると、修正すべき点に気付きやすいです。友達や先生に見せて意見をもらうのも、上手くなる近道です。

小論文の基本

小論文にとって最も重要なことは、「出題意図・出題テーマに合った内容を書く」ことです。出題している病院や医師が何を要求しているのかを理解し、読み解くことがカギとなります。
また、小論文の基本ルールとして、ここでは「序論」「本論」「結論」の3部構成を意識した文章を書くこと、文体のルールとしては「〜だ。」「〜である。」で統一することをおすすめします。ただし、大学受験で出題される小論文のような、厳しい基準を設けている病院は多くありません。まずは基本を押さえること、また面接で問われた際に答えられるように、自分の考えがしっかり反映されているかを最大のポイントとして書いてみましょう。

序論

本文に入る前の導入部分で、論じたいことに対する前置き部分となります。「問題」について記述し、それに対して「問題提起」をし、そのうえで「自分の主張や考え」を示します。読み手にスムーズに読んでもらうためにも、この段階で自分自身の意見や主張の結論を論じておくことがポイントです。

本論

小論文の中心部分で、自分の意見や主張の根拠となるものをたっぷりと論じます。この部分が具体的であり、論理的であることで、自分の意見や主張に対して読み手の納得度が上がります。逆にこの部分が不十分だと、読み手としては無理に結論付けているという印象になります。

結論

自分が問題提起したことに対する結論を論じます。序論、本論を踏まえて自分の主張を述べてください。

実際に出題された特徴的なテーマ

  • 「高齢化社会」における医療のあり方
  •  現在の医療の問題点
  •  災害時の自分の役割
  •  医師における「働き方改革」について
  •  初期研修中にやりたい事
  •  インフォームド・コンセントの重要性
  •  私の医療観
  •  医療人としての基本姿勢
  •  医療現場における理想のリーダー像
  •  2025年問題と医療について
  •  コンビニ診療(頻回に受診する患者)について
  •  再生医療
  •  地域中核病院の役割と現在の問題点
  •  尊厳死

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MECスタッフのアドバイス①小論文で書いた内容は、面接でその内容について深く質問されることが多いので、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

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MECスタッフのアドバイス②小論文のテーマは、医療現場にまつわるニュースやトピックスが出題されることが多いので、時事ネタや医療ニュースはテレビやインターネットで情報収集するようにしましょう。

面接

面接

面接はほぼ全ての病院で行われるため、必ず攻略しなければならない重要な試験です。「ゆっくりはっきり聞き取りやすく」「自分の言葉で」落ち着いて答えられるようにしましょう。協調性という点では、相手の言葉に頷いたり、相槌を打つことも好印象となります。

CHECK■緊張しやすい人は、面接の種類に応じて、事前練習を繰り返し行いましょう。■病院では面接中以外も気遣いを忘れず、病院へ悪い印象を与えないようにしましょう。

面接の種類

①個別面接

個別面接最もオーソドックスな形式です。「マナー」「姿勢」「話の内容」など、ポイントはいくつかありますが、一番重要なのは、「どれだけ自分の思いを誠実に伝えられるか」です。面接官と意思疎通が図れるよう、相槌や目線を合わせることも忘れないようにしましょう。

②集団面接

集団面接面接官に対して複数人で並んで面接する形式です。他の受験生の発言や面接官とのやりとりに気を配りながら、自分の意見を上手く述べましょう。人の意見を聞かずに、自分の意見だけを述べ立てるのはNGです。実は、自分以外の回答者の意見を聞いているかどうかも、面接官は見ています。

③集団討論

集団討論議題を与え、受験生同士で議論させる形式です。「討論への参加姿勢」「協調性」「リーダーシップ」などを見られます。集団のなかで自分の役割を見極めつつも、積極的に発言し、議題に対する結論を出せるようにしましょう。また、他社との関わり方も見られていますので、その点にも注意を払いましょう。

④プレゼンテーション型面接

プレゼンテーション型面接面接官からお題が与えられ、回答する口頭試問の形式です。学生のスキルや適性を見極めるために、英語や医学知識が問われます。小論文や履歴書の得意科目などから、それに関する口頭試問が始まるケースもあります。一般的には、面接官自身が問われる分野に精通している場合が多く見られます。

面接の基本3大チェックポイント

入室時のポイント

  • ①ドアを3回ノックし「どうぞ」と言われてから、「失礼します」と言ってお辞儀をしましょう。
  • ②「〇〇大学△年生の●●と申します。よろしくお願いいたします」と自己紹介しましょう。
  • ③面接官に「どうぞ」と言われたら、「失礼します」と言って鞄を置き、着席しましょう。

面接中のポイント

  • ①椅子の背もたれに寄りかからず、姿勢を正し、面接官を見ながら笑顔で受け答えしましょう。
  • 男性は足を軽く開き、手を握りましょう。女性は足を綴じ、手は重ねておきましょう。
  • ③目線は面接官をまっすぐに見るようにしましょう。その際に適度に瞬きも必要です。
  • ④「はい」「いいえ」などの返事は、はっきりと聞き取れる様にしましょう。

退室時のポイント

  • ①着席したまま「ありがとうございました」と言い、お辞儀をしましょう。
  • 椅子の左に立ち、再度「ありがとうございました」と言い、お辞儀をしましょう。
  • ③ドア前まで移動したら、面接官のほうを向き「失礼いたします」とお辞儀をして退室しましょう。

良く聞かれる質問

①志望動機

「その病院で自分が何をしたいか」「病院のどこに魅力を感じたのか」等、自分自身が調べ、感じたことを伝えられるかどうかが一番のポイントです。

②自己PR

「自分がこれまでにやってきたこと」を元に「どんな結果が得られたか」や「周りや自分がどう変わったか」等、より具体的に伝えましょう。

③医師を志した理由

「医師になろうと思ったきっかけ」を素直に伝えましょう。「自分の考えがありがちな答えでは?」と不安になり、思っていること以外を伝えてしまうと、面接官からさらに質問された際に詰まってしまう場合もあります。注意しましょう。

④学生時代に頑張ったこと

部活動や課外活動等、「何をどのように頑張ったか」「どんな成果や結果が出たか」を伝えましょう。また、その経験から研修に活かせることも合わせて話しましょう。

⑤志望する診療科・将来の進路・目指している医師の姿

将来の自分の姿を想像しながら「目指す診療科」「将来やってみたいこと」「どんな医師になりたいか」を伝えましょう。具体的に決まっていない場合でも「今は~ですが、~により決めていきたい」等、「今考えていること」を理解してもらうことが大切です。

⑥病院の印象

「院内を見学して感じた印象」や「実際に研修医から話を聞いた際の印象」等、病院見学や説明会で自分自身が感じたことを、わかりやすく伝えるようにしましょう。

⑦留年や浪人について

留年や浪人をしている人は、高確率で質問されます。落ち着いて「留年・浪人した時の明確な理由」と「どのように自分が変わったか」等、「留年・浪人時と現在の違い」をはっきりと伝えましょう。

⑧その他 こんな質問も高頻度で質問されます!

・2年後はどのようなキャリアを考えているか?
・学生時代どんなアルバイトをやっていたか?
・これまで一番楽しかったこと、喜びを感じたこと、憤りを感じたことは?
・自分の大学の研修内容とどう違うか?(他大学を受験するとき)

病院はこう見ている!面接官が見ているポイント

その人の持つ印象

身だしなみや言葉遣い、コミュニケーション力や行動等を見て、「明るい」「清潔感がある」など、好感が持てる人かどうかを見ています。研修医になると、院内外の多くの人と関わるようになります。「コミュニケーションを大切にし、周囲の人々と良好な関係を築くことができる」と自分をアピールしましょう。

病院に合っているか

各病院には「忙しさ」「病院の規模」等の特徴が様々あるため、その特徴に合った人材が求められています。例えば、3次救急で忙しい病院の場合は「体力がありバリバリ働けそう」「忙しい中でも冷静でコミュニケーション力が高い」と病院から判断される人であれば、相性が良いと言えるでしょう。

研修への意気込みが感じられるか

「この病院で研修がしたい」という気持ちを伝えるには、はっきりとした志望理由が伝わるかどうかがとても重要です。病院側に、特に理由もなく病院を選んだと思われないよう、自分の気持ちをアピールしていきましょう。

アドバイス1

MECスタッフのアドバイス①面接では、プラスの事よりマイナスの部分のほうが目立ってしまうものです。印象が良くなりそうな回答やエピソードを話しても、その内容ではない部分を見られていることは多々あります。

アドバイス3

MECスタッフのアドバイス②圧迫面接のような雰囲気になることもありますが、その場合は対応力や精神力を試されているだけですので、不安になりすぎないようにしましょう。圧迫面接でうまく行かず、手応えがなくても採用されるケースもありますので、最後までやり切ることが重要です。

持ち物・身だしなみ

持ち物・身だしなみ

身だしなみは、会場に到着してすぐから見られています。
自分では身だしなみを整えたつもりでも、病院の採用担当者や面接官からはマイナスの印象を持たれることもあり得ます。思わぬところでネガティブな評価にならないためにも、最低限のポイントを押さえておきましょう。
また、事前に当日着るスーツを着て周りの人に見てもらうと、客観的な意見がもらえて安心です。試験時に忘れ物をすると、それだけで気持ちが落ち着かなくなる場合もあるため、事前に持ち物をチェックしておきましょう。

持ち物

  • 自立する鞄…A4サイズの書類が入るサイズで、床に置いた際に自立するタイプの鞄にしましょう。
  • 筆記用具…筆記試験での使用はもちろん、気になったことはメモ帳に記入できるよう、メモ帳と合わせて必ず持参しましょう。
  • メモ帳…気になることや、質問したい項目をメモしておくため、サッと出しやすいメモ帳を準備しましょう。
  • 時計…遅刻しないように確認する際はもちろん、筆記試験等で制限時間がある場合の残り時間の確認にも必要です。
  • 印鑑…交通費の支給がある場合は、領収書へ捺印を求められることもあります。
  • 辞書…英和辞書(医学辞書、電子辞書は、持込不可の場合もあるので事前に確認しましょう。)
  • 参考書…使い慣れたものがベター。事前に出題範囲がわかっていれば、その分野の参考書を持参しましょう。
  • 病院指定の書類(履歴書など)…病院に確認し、持参しましょう。

その他、病院の指示に従って、忘れ物をしないよう前日までに準備しておきましょう。

身だしなみ

身だしなみ

「誰が見ても好感が持てる格好」が基本です。当日になって「スーツが汚れている」「サイズが合わない」等で焦らないようにしましょう。
男性…無精ひげを生やさず、清潔感のある印象になるようにしましょう。
女性…華美な印象にならないよう、ナチュラルメイクを心掛けましょう。

Q&A

面接で緊張し、しどろもどろになってしまったら?
まずは、緊張して話がわかりにくくなってしまったことを謝り、一呼吸置いて気持ちを切り替えましょう。その後、「もう一度話をさせてください」等と伝えてやり直すようにしましょう。
集団面接において、自分が用意していた答えを先に言われたら?
「○○さんと同じです」だけでは面接官には伝わりません。自分の考えをつけ加え、「○○さんと同じ意見ですが、私は□□も行うのがよいと考えます」と答えるのがよいでしょう。
知らないことを問われたら?
知ったかぶりはやめましょう。「勉強不足でわかりません。ただちに調べたいと思います」と、謙虚かつ積極的な姿勢を示すのがベターです。
控室ではどうやって待っているべき?
もし知り合いがいた場合でも、うるさくならないようにしましょう。控室の様子も、病院は見ています。

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