研修医の到達目標

厚生労働省から発表されている「臨床研修の到達目標」の特に治療法・検査・手技・症候・疾患に絞ったリストになりますので、勉強の際の目安にしてください。
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臨床研修の到達目標

基本的治療法

基本的治療法の適応を決定し、適切に実施するために、

  1. 1)療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)ができる。
  2. 2)薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱薬、麻薬、血液製剤を含む)ができる。
  3. 3)基本的な輸液ができる。
  4. 4)輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。

検査

病態と臨床経過を把握し、医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査を、

マーカー部分…自ら実施し、結果を解釈できる。

・その他…検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

必修項目 下線の検査について経験があること

※「経験」とは受け持ち患者の検査として診療に活用すること
マーカー部分の検査で自ら実施する部分については、受け持ち症例でなくてもよい

  1. 1)一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)
  2. 2)便検査(潜血、虫卵)
  3. 3)血算・白血球分画
  4. 4)血液型判定・交差適合試験
  5. 5)心電図(12誘導)、負荷心電図
  6. 6)動脈血ガス分析
  7. 7)血液生化学的検査
    ・簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素など)
  8. 8)血液免疫血清学的検査
    (免疫細胞検査、アレルギー検査を含む)
  9. 9)細菌学的検査・薬剤感受性検査
    ・検体の採取(痰、尿、血液など)
    ・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)
  10. 10)呼吸機能検査
    ・スパイロメトリー
  1. 11)髄液検査
  2. 12)細胞診・病理組織検査
  3. 13)内視鏡検査
  4. 14)超音波検査
  5. 15)単純X線検査
  6. 16)造影X線検査
  7. 17)X線CT検査
  8. 18)MRI検査
  9. 19)核医学検査
  10. 20)神経生理学的検査(脳波・筋電図など)

手技

必修項目 下線の手技を自ら行った経験があること

基本的手技の適応を決定し、実施するために、

  1. 1)気道確保を実施できる。
  2. 2)人工呼吸を実施できる。(バッグ・バルブ・マスクによる徒手換気を含む)
  3. 3)胸骨圧迫を実施できる。
  4. 4)圧迫止血法を実施できる。
  5. 5)包帯法を実施できる。
  6. 6)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)を実施できる。
  7. 7)採血法(静脈血、動脈血)を実施できる。
  8. 8)穿刺法(腰椎)を実施できる。
  9. 9 )穿刺法(胸腔、腹腔)を実施できる。
  10. 10 )導尿法を実施できる。
  1. 11 )ドレーン・チューブ類の管理ができる。
  2. 12 )胃管の挿入と管理ができる。
  3. 13 )局所麻酔法を実施できる。
  4. 14 )創部消毒とガーゼ交換を実施できる。
  5. 15 )簡単な切開・排膿を実施できる。
  6. 16 )皮膚縫合法を実施できる。
  7. 17 )軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。
  8. 18 )気管挿管を実施できる。
  9. 19 )除細動を実施できる。

頻度の高い症状

必修項目 下線の症状を経験し、レポートを提出する ※「経験」とは、自ら診療し、鑑別診断を行うこと

  1. 1 )全身倦怠感
  2. 2 )不眠
  3. 3 )食欲不振
  4. 4 )体重減少、体重増加
  5. 5 )浮腫
  6. 6 )リンパ節腫脹
  7. 7 )発疹
  8. 8 )黄疸
  9. 9 )発熱
  10. 10 )頭痛
  1. 11 )めまい
  2. 12 )失神
  3. 13 )けいれん発作
  4. 14 )視力障害、視野狭窄
  5. 15 )結膜の充血
  6. 16 )聴覚障害
  7. 17 )鼻出血
  8. 18 )嗄声
  9. 19 )胸痛
  10. 20 )動悸
  1. 21 )呼吸困難
  2. 22 )咳・痰
  3. 23 )嘔気・嘔吐
  4. 24 )胸やけ
  5. 25 )嚥下困難
  6. 26 )腹痛
  7. 27 )便通異常(下痢、便秘)
  8. 28 )腰痛
  9. 29 )関節痛
  10. 30 )歩行障害
  1. 31 )四肢のしびれ
  2. 32 )血尿
  3. 33 )排尿障害(尿失禁・排尿困難)
  4. 34 )尿量異常
  5. 35 )不安・抑うつ

緊急を要する症状・病態

必修項目 下線の病態を経験すること ※「経験」とは、初期治療に参加すること

  1. 1 )心肺停止
  2. 2 )ショック
  3. 3 )意識障害
  4. 4 )脳血管障害
  5. 5 )急性呼吸不全
  6. 6 )急性心不全
  7. 7 )急性冠症候群
  8. 8 )急性腹症
  9. 9 )急性消化管出血
  10. 10 )急性腎不全
  1. 11 )流・早産及び満期産
  2. 12 )急性感染症
  3. 13 )外傷
  4. 14 )急性中毒
  5. 15 )誤飲、誤嚥
  6. 16 )熱傷
  7. 17 )精神科領域の救急

疾患・病態

必修項目

1.マーカー部分の疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例レポートを提出すること

2.マーカー部分の疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症含む。)で自ら経験すること

3.外科症例(手術を含む)を1例以上受け持ち、診断、検査、術後管理等について症例レポートを提出すること

※全疾患(88項目)のうち70%以上を経験することが望ましい

(1)血液・造血器・リンパ網内系疾患
  1. 1 )貧血(鉄欠乏性貧血、二次性貧血)
  2. 2 )白血病
  3. 3 )悪性リンパ腫
  4. 4 )出血傾向・紫斑病(播種性血管内凝固症候群:DIC)
(2)神経系疾患
  1. 1 )脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)
  2. 2 )認知症疾患
  3. 3 )脳・脊髄外傷(頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫)
  4. 4 )変性疾患(パーキンソン病)
  5. 5 )脳炎・髄膜炎
(3)皮膚系疾患
  1. 1 )湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)
  2. 2 )蕁麻疹
  3. 3 )薬疹
  4. 4 )皮膚感染症
(4)運動器(筋骨格)系疾患
  1. 1 )骨折
  2. 2 )関節・靱帯の損傷及び障害
  3. 3 )骨粗鬆症
  4. 4 )脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア)
(5)循環器系疾患
  1. 1 )心不全
  2. 2 )狭心症、心筋梗塞
  3. 3 )心筋症
  4. 4 )不整脈(主要な頻脈性、徐脈性不整脈)
  5. 5 )弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)
  6. 6 )動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤)
  7. 7 )静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)
  8. 8 )高血圧症(本態性、二次性高血圧症)
(6)呼吸器系疾患
  1. 1 )呼吸不全
  2. 2 )呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎)
  3. 3 )閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症)
  4. 4 )肺循環障害(肺塞栓・肺梗)
  5. 5 )異常呼吸(過換気症候群)
  6. 6 )胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎)
  7. 7 )肺癌
(7)消化器系疾患
  1. 1 )食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)
  2. 2 )小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻)
  3. 3 )胆嚢・胆管疾患(胆石症、胆嚢炎、胆管)
  4. 4 )肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)
  5. 5 )膵臓疾患(急性・慢性膵炎)
  6. 6 )横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)
(8)腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)疾患
  1. 1 )腎不全(急性・慢性腎不全、透析)
  2. 2 )原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群)
  3. 3 )全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症)
  4. 4 )泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石症、尿路感染症)
(9)妊娠分娩と生殖器疾患
  1. 1 )妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)
  2. 2 )女性生殖器及びその関連疾患(月経異常(無月経を含む)、不正性器出血、更年期障害、外陰・腟・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍)
  3. 3 )男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害、精巣腫瘍)
(10)内分泌・栄養・代謝系疾患
  1. 1 )視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害))
  2. 2 )甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)
  3. 3 )副腎不全
  4. 4 )糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)
  5. 5 )高脂血症
  6. 6 )蛋白及び核酸代謝異常(高尿酸血症)
(11)眼・視覚系疾患
  1. 1 )屈折異常(近視、遠視、乱視)
  2. 2 )角結膜炎
  3. 3 )白内障
  4. 4 )緑内障
  5. 5 )糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化
(12)耳鼻・咽喉・口腔系疾患
  1. 1 )中耳炎
  2. 2 )急性・慢性副鼻腔炎
  3. 3 )アレルギー性鼻炎
  4. 4 )扁桃の急性・慢性炎症性疾患
  5. 5 )外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物
(13)精神・神経系疾患
  1. 1 )症状精神病
  2. 2 )認知症(血管性認知症を含む)
  3. 3 )アルコール依存症
  4. 4 )気分障害(うつ病、躁うつ病を含む)
  5. 5 )統合失調症
  6. 6 )不安障害(パニック障害)
  7. 7 )身体表現性障害、ストレス関連障害
(14)感染症
  1. 1 )ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎)
  2. 2 )細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア)
  3. 3 )結核
  4. 4 )真菌感染症(カンジダ症)
  5. 5 )性感染症
  6. 6 )寄生虫疾患
(15)免疫・アレルギー疾患
  1. 1 )全身性エリテマトーデスとその合併症
  2. 2 )関節リウマチ
  3. 3 )アレルギー疾患
(16)物理・化学的因子による疾患
  1. 1 )中毒8(アルコール、薬物)
  2. 2 )アナフィラキシー
  3. 3 )環境要因による疾患(熱中症、寒冷による障害)
  4. 4 )熱傷
(17)小児疾患
  1. 1 )小児けいれん性疾患
  2. 2 )小児ウイルス感染症(麻疹、流行性耳下腺炎、水痘、突発性発疹、インフルエンザ)
  3. 3 )小児細菌感染症
  4. 4 )小児喘息
  5. 5 )先天性心疾患
(18)加齢と老化
  1. 1 )高齢者の栄養摂取障害
  2. 2 )年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡)