【神奈川】大船中央病院 1年目研修医4名の座談会

2018/03/01

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救急外来で症例を10回診るのと
同じくらいの効果をもつ
「モーニングレポート」

―― 貴院での初期研修の特徴である「モーニングレポート」について教えてください。

麻生医師:研修管理委員長の須藤博医師が研修医向けに直接指導を行う症例検討のレクチャーで、週3回臨床研修医と後期研修医、指導医数名が参加して行われます。
朝8時から約1時間、須藤医師の司会進行のもと、研修医が救急外来で診た症例を発表し、他の研修医がアプローチや鑑別についての考えを述べていきます。
自分の症例について「振り返り」ができ、他の症例も知識として得られるため、現場に応用できる学びがあります。

安江医師:入職したての頃は、救急外来に来た患者さんを相手に、何を鑑別に挙げるべきかわからなかったのが、モーニングレポートの蓄積で体系的に判断できるようになりました。限られた時間の中で重篤度や緊急性を見抜く力や、瞬時の判断力、プレゼン力が養われ、現場であまり動じなくなったように思います。
研修医は月に一度発表していくペースですが、症例を見つけて準備する過程はけっこう大変です。でも症例を掘り下げ、須藤医師からの指摘を減らせるよう詳細を詰めていくプロセスが「考える力」を養うことにつながります。他の研修医の発表を聞く時にも、須藤医師の質問に的確に答えられるように、鑑別の力を上げる必要があります。
ある上級医から「モーニングレポートを1回経験するのは、救急外来で症例を10回診るのと同じくらいの効果があるよ」と言われました。自分の頭で考える習慣と力が備わっていくと感じます。

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小田医師:私は患者さんの言葉から、想起できる鑑別がどんどん増えていく印象があります。例えば、頭痛が主訴の際に、“突然”痛くなったのか、それとも“徐々に”痛くなったのか。何をしていた時に起きた頭痛なのか具体的に聞くことで鑑別の方向性も変わります。
想起する鑑別が1つ増えるごとに、見える景色がどんどん変わっていく。自分が実際に患者さんを診ていなくても、モーニングレポートでのレクチャーで診療を疑似体験できますから、自然と経験値が上がっていく感覚です。
モーニングレポートを通じて教わった聴診や打診の方法、病歴の聞き方など、すぐに真似できることが多いので実践しやすいです。

増田医師:モーニングレポートの意義の一つに、フィードバックがあると思います。発表時の指摘によって、現場で聞きもらしていたことや、実施できていなかったことが明確になり、それを踏まえて次回に臨むことができます。

麻生医師:臨床で患者さんを目の前にした時に必要な、情報を収集する力が身につきます。問診では自分から患者さんに能動的に聞いていかなければ、患者さんも答えてはくれません。問題点はどこにあるのか、それを自分で考えながら切り口を見つけ、アプローチの幅が広がっていく実感があります。研修医のうちにそうしたスキルを身につけていくことは、医師としての土台づくりを考える上でも大きな意味があると感じます。

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研修プログラムの柔軟性が高く
指導医は経験豊富なベテラン医師

―― 貴院の研修プログラムの良さはどんなところにあると感じていますか?

増田医師:一つは全体を通しての柔軟性の高さです。私は1年目の4月と5月の2カ月間、内科をまわりました。その研修期間中、わずかに生じる空き時間も有効に活用したいと考えて、指導医に許可を取り、救急医に救急車が来たら知らせてもらうようにお願いしました。そこで救急の初期対応を経験しました。
最初の2カ月間で内科と救急の二つの面から勉強することができました。こうした研修医の思いを汲み取ってくれる柔軟な環境があると思います。

麻生医師:2年目の研修科目をじっくりと決められる点もありがたいです。1年目に集中して必修科目を経験した上で、自分に足りなかったものを考えて選択できる自由度の高さは魅力です。2年目の研修科目は1年目の1月頃までに決めればよく、時間をかけて自分なりのプログラムを組み立てられる良さがあります。

増田医師:1年目に皮膚科・眼科・泌尿器科・整形外科の中から学びたい2科を選択し、1カ月ずつまわるのも特徴的でしょう。今、泌尿器科をまわっていますが、救急外来での対応に役立つと強く感じています。実際、夜間に病棟で膀胱出血に直面した時も初期対応することができました。

安江医師:経験豊かなベテランの指導医に付くことが多く、困難な症例への対処や突発的な対応に的確な指示をもらえるのもありがたいです。1年目は、明確な答えを示してくれる指導のほうが身につくことも多いと感じています。

―― 当直について教えてください。

安江医師:5月から月4、5回行います。9月までは上級医と後期研修医または2年目研修医の3名体制です。10月からは内科系と外科系の上級医各1名と行います。
ファーストタッチは研修医です。1人で対応できる場合は、問診から鑑別、検査計画、診断までを考えた後で上級医にコンサルトします。看護師もサポートしてくれますし、メディカルスタッフも含めたセーフティネットが備わっています。

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自分で考えることを
大切にする環境で学べる

―― その他、貴院の初期研修の「ここが良い!」という点を教えてください。

増田医師:外科系の手技も希望すれば数多く経験できる点です。ときには副院長が執刀する外科手術に助手として付くこともできます。それから外科患者さんの術前術後のマネジメントについてもしっかりと学べます。先輩研修医の中には、当初志望していた診療科から、大船中央病院の整形外科を経験して志望を同科に変えた方もいるほどです。私自身、消化器外科では虫垂炎や腸管切除、腹腔鏡での胆のう摘出などで第1助手を経験しました。1年目12月までの手術症例の経験は2桁にのぼります。
もう一つは、病棟管理に主体的に関わることで、患者さんの社会的背景や家庭事情にまで思いを馳せる大切さを知ったことです。同時に、退院調整に医師が積極的に関与していく重要性も理解できました。
鎌倉は高齢者が多く、患者さん一人ひとりのADLに目配りすることが欠かせません。そして退院は単に病気を治すことで実現するのではなく、なるべく元の生活レベルに戻せるよう、リハビリで補ってから自宅や施設に帰す努力をする視点が大切です。地域の中核病院で仕事をする意識が次第に高まっています。

小田医師:大きすぎず、小さすぎない規模の病院ですので、すべての常勤医師の顔がわかります。医局は一つのフロアなので、診療に関する疑問があれば該当する診療科の上級医にコンサルトします。皆さん、嫌な顔をせずに教えてくれる「温かさ」があります。顔の見える関係でいつでも意見交換ができています。昼食は食堂で上級医と一緒に食べていますし、アフター5は時々ごちそうになることもあります。

麻生医師:研修のなかで強制されることがほとんどなく、自分で考えることを大切にする環境で学べる点が気に入っています。例えば、午後にちょっと時間が空いた時は、論文を読むなど、自分で考えて自分で勉強できます。

安江医師:その意味でも、自分で考えて能動的に動ける人には、大船中央病院の研修は合っていると思います。チャンスを逃すことなく、何事にも前向きに取り組んでいきたいです。

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自分の時間がしっかり持てて、
暮らしやすい湘南エリア
ワークライフバランスも秀逸です

―― 普段は自分の時間などを持てていますか?

安江医師:遅くまで残っている上級医は少なく、研修医も早く帰れる日は多いです。だから自分の時間もしっかり持てますし、ワークライフバランスに優れた病院です。

増田医師:温かくて思いやりのある医師が多いので、働きやすいです。

小田医師:最初の頃は月1回程度、同期でご飯や飲みに行っていました。私は仕事が終わってから、週1回はプールに行って泳いでいます。安江先生も運動しているよね?

安江医師:ええ、まあ、ランニングやサッカーくらいかな。たまに仕事の後に10㎞走ることもあります。実は今日も、この座談会が終わったら走りに行きます(笑)。

―― 鎌倉近辺に住んでみて良かった点は何ですか?

安江医師:ちょっと行けば海があって、歴史情緒にあふれ、落ち着いた街です。でも実は、まだあまり街歩きはできていないです。

麻生医師:鎌倉はいつでも行ける街なので、僕もなかなかゆっくり巡れていないです。どちらかというと、オフの日は横浜に行くことが多いです。やっぱり買い物とか便利ですし。

小田医師:大船は横浜にも東京に行くにも交通は便利だし、人も多すぎず、少なすぎず、住みやすい街です。

増田医師:それと大船は、隠れ名店が多い!

小田医師:魚や日本酒が美味しい店、ワインの美味しい店を開拓する楽しみなどもあるね。

安江医師:一つ上の先輩に比べて、まだまだ僕ら同期は、大船の魅力をアクティブに生かし切れていないと思う(笑)。先輩たちを見習って、みんなで楽しんでいきましょう!

(2018年3月掲載)