【京都】京都民医連中央病院 1~2年目研修医4名の座談会

2018/04/13

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研修医のやりたいことを優先してもらえる自由なスタイル

―― 自由なプログラム選択が可能な「オーダーメイド研修」が特徴的ですが、どのような点にメリットがありますか?

松田医師:2年目の自由選択期間において、自分が望むようにプログラムが組める点のほかに、ふだんから臨機応変に科をまたいで学べる点がメリットです。科ごとの垣根の低さを活かして、たとえば選択期間の総合内科でも希望すれば心カテの検査に入れるなど、自分が深めたい分野に関わり続けることができます。
私は腎臓内科をめざしているので、循環器内科をローテートしている時に、腎生検があれば見に行かせていただくこともありました。業務に支障がなければ、研修医のやりたいことを優先して調整していただけるのでありがたいです。

松野医師:ローテートの順番を自分なりに変えられるのも大きいでしょう。たとえば先に、救急科である程度現場経験を積み、麻酔科で挿管やルートの自信を付けて外科をまわるなど、順序を自分で変えられます。また2年目には、先に他の科を一通り終わらせておいて、最後に自分で深めたい科をじっくり選択するなどのアレンジができます。
ローテートの順番が病院本位で決まり、専門性の高い科を先に取ってしまうと、「この時期に、まだこんなことしかできないの?」ということにもなりかねません。2年間の研修をトータルでとらえ、順序立てて土台を築いていけるプログラムだと思います。

「自分でやるしかない」と自然と思えるようになる

―― 先生方はどのような点を重視して選択をアレンジしたのですか?

松野医師:私は最後の6カ月の自由選択はほとんどHCUにあてました。麻酔科をめざす上で薬や呼吸器の扱いについて勉強を深めなければならないのですが、1カ月だけでは身に付けるのは難しい内容なので。

西川医師:私の場合は6カ月のうち、4カ月は内科を選び、残りの2カ月で検査科と麻酔科という選び方をしました。循環器内科を志望しているので、心臓のエコーが3年目から必要で、通常のプログラムでは難しいため検査科でエコーを重点的に学ぶことにしたんです。

小林医師:私は1年目ですが、精神科志望と進路は明確で、すでに精神科を2カ月半と長めに取っています。また神経系全般に興味があり、月1回、京都民医連関連の神経グループが行う第二中央病院でのカンファに参加するなど、病院の垣根を超えた勉強の機会をいただいています。

―― 研修医の意識の面でも違ってくるのではないですか。

西川医師:自由にやらせていただけることで、研修医が自分で考え、自分で実行するという主体性が身に付く点は大きいですね。最初は受け身でも、「自分でやりなさい」という必要性に迫られるので、「自分でやるしかない」と自然と思えるようになる(笑)。

松野医師:救急でも病棟でも、「まずやらせる」という風土があるから。京都民医連中央病院では先生方が、研修医を「やらないの?主治医でしょ?」と促すんですよ。そして患者さんを任され、研修医が方針を立てて、投薬の管理から検査のオーダーまでを自分で行っていくんです。最初は、「え!? こんなの研修医がやっていいの?」と慌てるんですが、次第に根性がつくというか(笑)。もちろん方向性が間違っていればちゃんと指摘してくださいますし、自由さに加えて、良い意味での「監視がついている」というイメージですから安心して取り組むことができます。

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英語や画像診断カンファレンスなど特徴ある勉強会が盛りだくさん!

―― 当直はどのようにスタートしていくのですか。

松田医師:1年目の5月から6月の間はセカンドで入り、7月からはファーストタッチで診ていきます。やはりセカンドの期間があるのは気持ちの面でも大きくて、緩やかに慣れていける意味でもありがたいです。また、内科当直では、研修医は上級医との2人体制で診ますが、それとは別に病棟担当の医師が入ります。病棟を診てくださる先生がいるのは大きくて、安心して救急外来に向き合えますね。

―― 当直の「振り返り」など、勉強会について教えてください。

松田医師:翌日の12時半から約1時間、ランチタイムでの救急カンファがほぼ毎日あります。前夜の症例について報告しながら、どう対応したかを振り返っていくもので、研修担当の指導医のほか、手の空いている先生方が疑問や不明点に細かく答えてくださいます。実際に経験した症例対応の「正解」を毎日積み重ねていきますから、成長に直結するカンファレンスです。

西川医師:その他の勉強会としては、月1回の外国人講師による英語カンファレンスが特徴的でしょう。研修医が症例発表を行うなかで、英語でディスカッションしていくもので、英語が得意な人や英語での身体診察や症例提示を学びたい人、また留学を考えている人などにおすすめです。

松野医師:外国人講師は、湘南鎌倉病院でバリバリされていた総合内科の先生で、日本語も理解されていて臨床のスキルも非常に高いレベルですから、英語学習の要素以外でも勉強になりますね。他の病院の研修医や、医学生も参加することがありますよ。

西川医師:ほかに、京都府立医大・放射線科の田中先生による週1回の画像診断カンファレンスもとても勉強になると思います。X線やCT、MRIの見方の基本に始まって、専門的な講義を1年通して行っていただけます。

松野医師:画像はいきなり「読みなさい」といっても無理で、基礎からきちんと教わらなければなかなか読めるようにはなりません。大学の同期の中には、画像診断に不安があったから1カ月だけ外病院の放射線科をまわって、やっと少しは読めるようになったという人もいるくらいで、その土台から教えていただける点でとても有意義なカンファレンスです。

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「患者を断らない」病院だからこそ、多彩な症例を経験できる

―― 松田先生は後期研修も貴院の内科・統合診療科で行うと聞いていますが、そのメリットについてお聞かせください。

松田医師:京都民医連中央病院は内科の各科だけでなく総合診療科もありますから、症例が細分化されずに幅広く診られることがメリットでしょう。内科・総合診療科を目指す人は切れ目なく研修することができるのはもちろん、他の科に行く人でも、医師として基礎的な事柄を勉強できます。また新専門医制度に変わったことで、内科専門医をとるためには症例を200例以上集める必要がありますが、多数の症例を単一の科で長期間主治医として診ることができる点でも、この病院に残ったほうがメリットがあると考えました。

―― 研修のなかで、より印象に残った科の特徴や魅力を教えてください。

松野医師:私は消化器内科で4年目の先生や中堅の若い先生たちのもとで、3年目の先生が内視鏡などの手技をどんどんこなしている姿が印象的でした。手技の実践においては、患者さんの情報を複数の医師でチームとして共有しながら、常にサポートの目が入っている中で行えますから安心です。恵まれた環境でどんどん手技をやれる環境があります。

松田医師:腎臓内科において慢性透析を兼ねている病院はあまり多くなく、京都民医連中央病院は慢性透析を診ながら、HCUで集中治療にも関われる点は魅力です。腹膜透析の導入も京都で有数の実績があり、研修でも透析療法中にある患者さんの全身の病態管理をする重要性を学べました。

西川医師:総合内科で入退院のマネジメントなどの実践的な研修が積めるのも良い経験になると思います。専門的な治療が終わったあと、患者さんを家に帰してあげるために何をするか。それを多職種で連携しながら進めていくことが重要であり、初期研修の段階から主治医として主体的に関わることができるのは意義があると思いますね。

―― 貴院の研修病院としての良さを、あらためて教えていただけますか。

小林医師:当院は理念として「患者を断らない」ことを重要視していますから、おのずと多様な症例を経験できる点は大きいでしょう。精神科疾患の患者さんが、ティッシュを大量に飲み込んで内科救急に運ばれてきたような症例もありましたが、きっと当院でなければ経験できないものだったように思います。

松野医師:研修を良いものにしようというモチベーションが病院全体で高くて、研修医をすごく大切にしてくださいます。それは指導医だけでなくスタッフも同様で、研修医をきちんと医者として見て、期待してくださっていることがよくわかるんですね。だから研修医も、それに応えたいというモチベーションが上がって余計に頑張れる!

松田医師:2019年秋に京都・太秦に移転して新病院になる点もメリットでしょう。病院がリニューアルする時期に働くことができるのは、人生のうち何回も経験できることではないので良い経験になると思います。そして研修においては、「ぜひ指導医を見てください」と言いたいですね。ある一定の専門性をもちながら、ゼネラルな要素をどの先生もお持ちですから、学べるものは絶対に多いですよ。

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病院から少し足を延ばせば北野天満宮や金閣寺も。
京都風情に癒されつつ、先輩方に可愛がっていただいています!

―― 研修医同士の仲はどうですか?

松野医師:もちろん仲いいですよ。同期は5人だけど、それくらいがちょうどいいと思う。あまり多いと、どうしてもそりが合わないのが入ってくる可能性が高まるし(笑)。後輩もみんな可愛いしね。

―― 2年目の先生はどうですか?怖くない?

小林医師:怖いと思ったことは一度もないです(汗)。

松野医師:怒ったことないもんね? 4月に血ガス教えてて、1年目の子が血を爆発させて血まみれになったこともあったけど、それでも怒らなかった。ていうか、面白過ぎて笑ってたけど(笑)。やっぱり後輩は来てくれただけでもうれしいし、なんでも気軽に相談してほしいですね。

―― 京都の良さを教えてください。

松野医師:京都はさすがにいろんなお店がいっぱいです。だから飲みに行くのはどこでもOK(笑)。病院の周りにも何でもあるし。歩いていけるところもあるし。上級医の先生もよく飲みに誘ってくださって、「今日行くか?」と言われると「行きましょ♪」という感じの距離感だから毎日楽しいです。

西川医師:僕は滋賀から通っているんですけど、滋賀から通えるのがメリットかな(笑)。電車だと1時間くらいで通えるし、やっぱりアクセスがいいから便利ですね。

小林医師:私は自転車が好きで、休みの日には遠出もするんですが、京都は平らな街なので、自転車にも乗りやすい! 30キロ先のラーメン屋さんにも自転車に乗って行ってます(笑)。

松田医師:こっちに来た当初は、けっこうお寺とか行きましたね。メジャーなところでは、病院から少し足を延ばせば北野天満宮が近いし、金閣寺もあります。バスや自転車でちょっと行けばいいので。やっぱり風情があって楽しいですよ。

(2018年4月掲載)